Like a fairy tale 46





プラントから多くのMSが地球に降下してくる。

その中にはイージスとブリッツの姿もあった。

ブリーフィングルームで待機していたは窓の外を眺める。

「来たみたい」

が呟くと、イザークはふん、と鼻を鳴らし、ディアッカは「あっそ」と全く興味がない様子だ。



アスランたちよりも早くクルーゼがブリーフィングルームに入ってきた。

たちは敬礼をして迎える。

クルーゼが一通り労いの言葉を口にした後、イザークが前に進み出た。

「お願いします、隊長!あいつを追わせてください!」

イザークの訴えをクルーゼは静かに窘める。

感情的になるな、冷静になれ、と。

は同感だと頷いた。

ブザーが鳴ってアスランとニコルが入ってきた。

イザークの額の傷を見て2人は驚く。

「よ。久しぶり」

ディアッカが声を掛け、は「やほー」と言いながらヒラヒラと手を振った。

イザークの傷はもういいのだが、ストライクを討つまではその傷を消すつもりが無いとクルーゼがアスランたちに説明をする。

アスランが少し俯き、は呆れたように溜息を吐く。

現在アークエンジェルの討伐はカーペンタリアの任務にある。

それをクルーゼが口にするとイザークは「我々の仕事です!」と食い下がる。さらにディアッカが援護射撃よろしくイザークの言葉の後に続いたため、ニコルは驚いた。

ディアッカ曰く「散々屈辱を味わされた」だそうだ。

クルーゼも同じ気持ちだが、スピットブレイクの準備があるため、動けないという。

しかし、そこまで言うならたちでアークエンジェルの討伐隊を結成するかと言われ、イザークが嬉しそうに頷く。

そして、クルーゼは指揮をアスランに命じた。

アスランは少し驚いた様子で目を開く。

「あの、隊長」

アスランが一歩前に出た。

「何だね」

ではいけませんか?彼女の方が地球に居る時間は長かったし...」

アスランの言葉に

「アスランの方がいいと思う」

が返す。

「そうですか?でも大丈夫だと僕は思いますけど...」とニコルは言うがは首を振る。

「いや、しかし...」

「私も、よりもアスランの方が向いていると思って指名したんだ。勿論、の実力はアスランと同等以上とは思うが、は自分のMSにも掛からないといけないからな。指揮をさせるには負担が大きい。カーペンタリアで母艦を受領できるよう手配をする。直ちに移動準備にかかれ」

クルーゼはそう言って話を締めた。

には後ろ姿しか見えないが、イザークがそれはもう鬼の形相でアスランを睨んでいる表情が目に浮かぶ。

色々と因縁のある船だが、期待するとアスランの肩に手を置いてクルーゼは部屋を後にした。

「ザラ隊、ね」とディアッカが呟き「お手並み拝見といこうじゃないか」とイザークは挑発するように声を出した。



それぞれMSを載せてカーペンタリアに向かう。

のノルンは自力で飛べるが、流石にカーペンタリアまでは距離があり、他の4機と同様に輸送機での移動となる。

アスラン以外の4機の輸送機の準備が整った。

どうやらアスランの機体の輸送機は何かしらのトラブルが起きているようだ。

イザークたちが部屋を出ていき、最後に部屋を出ようとしたが足を止める。

「待とうか?」

1機で飛んでいてトラブルが起きた場合でも、何かがあればの機体は飛べるため、対応が出来るというコトだ。

「大丈夫だ。制空圏内を飛行するしな」

「そっか、そうでした」

はそう返して「お先」と声を掛けて待機室を後にした。




カーペンタリアに着いたはいいが、アスランの輸送機が来ない。

出発した時刻から考えたら、もういい加減着いてもいい頃だ。

ニコルが心配そうに輸送機の発着場を眺めている。

アスランの消息を聞きに行ったイザークが戻ってきた。

「イザーク。アスランの消息..」

ニコルが声を掛けると

「ザラ隊の諸君。さて、栄えある我が隊、初任務の内容を伝える」

ソファに掛けて何かの雑誌を読んでいたディアッカも振り返った。

「それは、これ以上ないというほど重大な」

イザークは一度言葉を切ってニヤリと笑う。

「隊長の捜索である」

それを聞いたディアッカは声を上げて笑い、ニコルはそんなディアッカを不快そうに睨んだ。

「ま、輸送機がおっこっちまったんじゃしょうがないが。本部も色々と忙しいってことでね。自分たちの隊長は、自分たちで探せってことさ」

「やれやれ。中々幸先のいいスタートだね」

ディアッカがからかうように言い、

「とはいえ、もう日が落ちる。捜索は明日かな?」

とイザークが続けた。

「そんな!」とニコルが異を唱えるがアスランはイージスに乗っているわけだし、大気圏を落ちたわけじゃないのだから心配ないとディアッカが言う。

「大気圏を落ちたのは、自業自得だからね。バカみたいに周りが見えなくなって...」

が水を差せばディアッカとイザークは眉を顰める。

「んま、そういうことだ。今日は宿舎でおやすみ。明日になれば母艦の準備も終わるってことだからそれからだな」

イザークの言葉にニコルの表情は曇ったままだ。

「ニコル、明日の朝。日の出と共にアスランを探しに出ましょう。私はノルンがあるから、ニコルは輸送機借りて2手に分かれて空から捜索。まあ、イージスとノルンが手を繋いで帰るってのは出来ないけど、捜索してニコルにアスランの居場所を教えることくらいならできるし」

が言うと渋々頷いた。

「イザークとディアッカも。体を休めなさいよ。2人とも休暇無しで来てるんだから、休めるときに休まないと」

「オレたち、優秀だから休みがなくてもいい働きするよ。休暇があったのに行方不明になる誰かさんとは違って」

ディアッカが小ばかにしたように笑う。

「砂漠の接地圧。熱対流のパラメータ」

がその2つの単語を口にするとディアッカは少しバツが悪そうな表情を浮かべて「お先」と部屋を後にした。

ニコルも続いて部屋を後にし、「イザークも、大人しくね」とは声を掛けて部屋を後にした。









NEXT


桜風
08.3.31


ブラウザを閉じてお戻りください