Like a fairy tale 51






1日待って事態の進展はない。

、ブリーフィングルームに集合だ」

ドックでノルンの調整をしているとイザークが声を掛けにきた。

「ホント?じゃあ、きっと潜入決定だね」

待機中、ノルンの調整に時間を費やすことが出来ては非常に機嫌がいい。


「メカニックにでもなるつもりか?」

ブリーフィングルームに向かいながらイザークが聞いた。

「どうだろう?けど、一応色々教わってるわ。ほら、ノルンは人に調整してもらえないから、全部自分で出来たほうが便利な時もあるだろうし」

が生き生きと返すため、イザークは眉間に皺を寄せる。

「今のは厭味だぞ?」

「通じない厭味って何処に意味があるのかしら?」

イザークはこれ見よがしに溜息を吐いた。

「相手してあげられなくてゴメンナサイねぇ」

が軽く言うと

「別に。貴様と会話をしないといけない決まりは何処にも書いてないからな」

イザークが鼻を鳴らしてそう言う。

「そうね。服務規程に書いてあったらもう少し時間を作るとは思うんだけど...」

の言葉にイザークはキッと睨んで歩みを速める。

あ、怒らせた...

は少しだけ反省してイザークの後ろをマイペースに足を進めていたが、「遅いぞ!」と叱られたため、イザークと歩調を合わせてまた並んでブリーフィングルームに向かった。



「カーペンタリアからオーブに圧力を掛けてもらったが、どうも話に進展は見られない」

「てことは、潜入、ですね」

ニコルが言うとアスランは頷く。

「で?内容は?」

ディアッカが話を促す。

「明日、夜明け前に海中からオーブへ潜入する。協力者への連絡はもう行っている。作戦開始は明朝0400。まずはドックに集合だ」

「りょーかい」

「それと、

アスランに名前を呼ばれて顔を向ける。

「何?」

は残ってくれないか?」

「何故?」

「パイロットが残っていたほうが良いだろう。のノルンは自力飛行が可能だし、何より足がある」

も外の空気を吸いたかったからこの潜入作戦を実は楽しみにしていた。

イザークもそれは知っていたから反対しようかとも思ったが、思い切り個人的な事情だ。それを主張するのはあまりオススメできないのも分かる。アスランの言っていることは、悪くない判断とも思えたから。

隊長に言われれば頷くしかない。は短く溜息を吐いて「了解しました」と言うべく、口を開いた。

しかし、

「でも、アスラン」

とニコルが入る。

アスランが顔を向けると

は僕たちの中で唯一の女性ですよ。女性にしか入れないところとかもあるかもしれません。その場合、流石に僕たちではそういうところでの情報収集は無理ですから、に居てもらったほうが良くないですか?足付きについては、この艦がソナーで動きを拾っていますし...」

ニコルの言葉を聞いてアスランは暫く悩み、

「そう、だな。分かった。すまないが。やっぱり一緒に潜入作戦に出てくれ」

と言葉を変えた。

ニコルありがとう!と心の中で叫びながら「了解しました」と先ほど口にしかけて止めていた言葉を口にした。

イザークはやっぱり面白く無さそうな表情を浮かべていた。



作戦開始時刻、ドックには5着の潜水服とモルゲンレーテの作業着が用意されていた。

作業着を着た上に、潜水服を着用する。

別室で着替えていたが戻ってきた。何だか、呆然としている。

「どうした?」

気付いたアスランがに声を掛ける。

「やばいな、って思って...」

「太った?ご愁傷様」

ディアッカがからかうように言うと

「逆よ。痩せた...やばい、どうりで最近つなぎにゆとりが有ると思ってたのよ」

最近、この艦内ではつなぎで過ごしていた。MSの調整をするのに制服を着るのは動きにくいし、ずっとパイロットスーツというのもあまり好きではない。

「えーと。それはいいことじゃないんですか?」

ニコルが聞いてみると

「実家にね?今まで一度も着ていない服が山とあるの。しかも、頂き物。どうしよう...」

と実家の部屋に置いてあるエザリアからのプレゼントと言う、一度も袖を通した事のない服たちを思い出して蒼くなる。

「呑気なもんだな」

イザークの呟きには睨んだ。

イザークは気にせず、「そろそろ行かないか」とアスランに声を掛けていた。


艦から泳いでオーブのオノゴロ島へと上陸した。

そこには、釣り人を装った協力者が待っていた。

「クルーゼ隊、アスラン・ザラ」

アスランが自己紹介をすると協力者の一人が「ようこそ、平和の国へ」と皮肉をこめて歓迎の言葉を口にした。









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桜風
08.4.11


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