Like a fairy tale 54






デッキで海を眺めているとアスランが呼び出される。

「出てきた、かな?」

が呟いて立ち上がる。

「まだ分からないが...」

「パイロットスーツには着替えておくわ」

そう言っては自室に向かい、アスランは操舵室へと向かった。

パイロットスーツのを目にしてイザークが声を掛ける。

「何でその格好だ?」

「アスランが呼び出されたから。もしかしたらってね?」

の言葉にイザークの眉間に皺がよる。

「アスランと、一緒に居たのか?」

「デッキで魚の群れを見ていたの。そしたら、アスランがいたからそのまま話をしてただけ。イザークも潮風に当たればいいのに」

が言うと

「潮風はべたつくだろう」

と返してイザークも更衣室へと向かった。


コックピットで待機をしているとアラームが鳴る。

艦の特定ができ、それが足付きとのオペレータのアナウンスが入った。

「当たりましたね、アスラン」

とニコルが嬉しそうに声を掛ける。

「出撃する。今日こそ足付きを落とすぞ!」

5機全て艦から射出された。



アークエンジェルが煙幕に包まれる。

その中から、スカイグラスパーが2機出てきた。

ディアッカがビーム砲を撃ち、そのスカイグラスパーは二手に分かれた。

1機はこちらに向かって攻撃を仕掛け、もう1機は本当に支援だけのようだ。

、砲撃装備のついているスカイグラスパーは任せる」

アスランから通信が入り、「了解」と応えた。

煙幕の中から砲撃がある。

散開したイザークたちだったが、その中から現れたストライクの姿にイザークは叫び、グゥルからのミサイルを発射させる。

ディアッカもバスターで砲撃を加えるが、グゥルを撃たれてストライクに海へと落とされ戦線を離脱し、イザークもバルカン砲でストライクに向かったが同じくグゥルをやられて落ちていく。


がスカイグラスパーを艦に近づけさせないようにしていたが、逆に艦からの砲撃を受けてスカイグラスパーに近づけなくなる。

動きも素早く、上手く照準を合わせられない。

「ああ、もう。素早いねぇ」

は少しイラッとしながらもスカイグラスパーに照準を合わせて銃を撃っていた。

そんな中、ストライクが空中で換装を行い、ニコルのブリッツが落とされてグゥルも奪われる。

戦闘に加わらない、情報処理用のスカイグラスパーかと思ったその機体からも攻撃があった。

はその機体に照準を合わせる。兵士が銃を向けてきた以上、敵である。

しかし、それに気付いたらしいもう1機がノルンへの攻撃を仕掛けて照準を狂わせる。

「ああ、もう!邪魔!!」

は飛び交うスカイグラスパーに照準を合わせて引き金を引いた。

途端、アラームがなる。

アークエンジェルからのビーム砲が迫って来ていた。

「くっ!」ギリギリのタイミングで避けたつもりが、少し掠って右腕を破損してさらに推進部への影響も出ていた。

は狙いを定めてアークエンジェルの砲を1基破壊してすぐ傍の島に不時着した。

「ごめんね、ノルン」

は呟く。

今のままだとノルンは全く動けない。

受けた砲撃、落ちた衝撃で回線のいくつかが死んだ。

死んだもののひとつに通信機能がある。

どのチャンネルに合わせようとしてもうんとも寸とも言わない。

「はぁ、参ったねこりゃ...」

回線についてはバイパスになる回路をプログラミングして...回線は、自分で整備するしかない。

いつかイザークに言われた『メカニックになるつもりか?』という言葉が頭に浮かんだ。

「そろそろ免許皆伝かも...」とは呟き、作業に掛かる。

幸い、向こうは深追いをするつもりはないようで追撃されていないし、岩陰に隠れている。


ノルンの修理をしていると、近くで大きな爆発があった。

はイヤな予感がして岩陰からその爆発現場の様子を見る。

肉眼では何が何だか分からない。

上空にはアークエンジェルが見える。

それは段々遠ざかっていき、小さくなり、やがて見えなくなった。

爆発が気になったが、は今は動けない。

ノルンは他の誰にも使えないが、壊されればそれでお終いだ。

「早く直さないと...」

せめて、通信部分だけでも直せれば誰かに迎えに来てもらえる。

また怒られるんだろうな、と思いながらイザークの顔を思い浮かべていた。









NEXT


桜風
08.4.18


ブラウザを閉じてお戻りください