| 母艦に戻ったイザークは更衣室で荒れていた。 ロッカーに拳を入れ、けりも入れる。 その衝撃で、ニコルのロッカーが開いてしまった。 中の制服が目に入り、思わず手を止める。 「イザーク」 ディアッカが窘めるように名を呼ぶ。 「何故あいつが死ななきゃならない!こんなところで!ええ!?」 アスランがイザークの胸倉を掴んでロッカーに押し付ける。 「言いたきゃ言えば良いだろう。オレのせいだと。オレを助けようとしたせいで死んだと!!」 「アスラン!」とディアッカが窘める。 目じりに涙を浮かべてイザークはアスランを睨む。 「イザークもやめろ。此処でお前らがやりあったってしょうがないだろう」 ディアッカが2人を引き剥がす。 「オレたちが討たなきゃならないのはストライクだ!」 「分かってるそんなことは!仲間が沢山やられた。俺も傷を貰った!次は必ず、あいつを討つ!!」 着替えることなくイザークは更衣室を後にし、ディアッカもそれを追いかけた。 独り更衣室に残ったアスランは開いたロッカーの隙間からニコルの制服を目にする。 制服を取り出すとスコアが床に散らばった。それは、ニコルが時間を見つけては作っていた曲だ。 優しいニコルの表情を思い出す。 彼の制服を抱き締め、アスランは慟哭した。そして、親友のキラを討つことを心に誓った。 「おい、イザーク!」 ディアッカがイザークの後を追いかける。 このまま放っておくと何をしでかすか分からない。 「が居たら、少しは...?!おい、イザーク!、見てない、よな?」 ディアッカの言葉にイザークは足を止める。 まさか、という表情を浮かべてそのままの部屋へと向かった。 は更衣室を利用しないからパイロットスーツにに着替えるときも自室だ。だから、帰ってきたらすぐに自室に向かうため、彼女の部屋に行かないと会えない。 ブザーを何度押しても反応がない。 「!!!」 ドアを叩いても反応がない。 「くそッ」と毒づいてドックへと向かった。 それぞれのハンガーには、イージス、デュエル、バスターの3機しかない。 いつも5機あるのに、2機足りない。 「ノルンが、ない...?」 呆然と呟いた。 急いでデュエルに乗り込み、通信を試みる。 「、!返事をしろ、!!」 電波状態は悪くない。だから、機体が動けなくなっていても彼女が生きているのなら、ちゃんと救難信号を発しているはずだ。 それなのに、その信号をキャッチしてはいないし、応答もない。 イザークは操舵室へと向かった。 「・から何か通信とか、信号は?」 艦長に向かってそう言う。 艦長は静かに首を振った。 「足付きの砲撃を食らったところで通信不能になっている。これはもう、MIAとしか...」 「ふざけるな!アイツはこんなところでは死なない。あいつを誰だと思っているんだ。・。だぞ!!」 艦長に食って掛かっているイザークを見つけてディアッカが止める。 「やめろって、イザーク!」 「離せ、ディアッカ!!」 「いい加減にしろ!」 ディアッカはイザークを殴り飛ばした。 「いつもに言われてただろう。熱くなりすぎだって!冷静になれよ!!お前だけが心配してんじゃないんだからな」 イザークは奥歯をギリ、と噛み締めた。 「いいから、ほら。お前はまず着替えろ。んで、足付きに追いつくまで寝ろ」 そう言ってイザークを操舵室から追い出す。 ディアッカは艦長に向かって小さく頭を下げた。 イザークも制服に着替えて少しだけ休息を取り、アスラン、ディアッカと共に操舵室へと向かった。 「センサーに艦影。足付きです」 オペレーターが言う。 イザークたちはそのモニタの前に向かった。 「間違いないか」 艦長の言葉に「有りません」と返す。 「今日でカタだ、ストライクめ」とイザークは低く唸った。 「とニコルの仇も、お前の傷の礼もオレがまとめてとってやるぜ」 「出撃する」 アスランがそう指揮を執り、イザークたちはパイロットスーツに着替えてドックに向かった。 アラームが鳴り、3機が射出される。 「...」 自分が受けた傷よりも、仲間の死よりも、許せない。 という存在を奪ったあのストライクが。 |
桜風
08.4.21
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