| イザークがアスランを迎えに行き、そのままカーペンタリアに向かうとの連絡を受けた。 そして、は医務室に向かう。 「ああ、さん」 医療班の一人がを見つけて声を掛けてきた。 「あの、ニコルは...?」 整備の知識は免許皆伝手前まであるものの、人を治療する知識と技量はアカデミーで習った程度のものしかない。 はそれなりに考えて治療をしたが、絶対にその程度で大丈夫なはずがない。 がニコルを発見したときは、あの爆発から半日は経っていたし、この艦に収容してもらうまでに半日は経過している。 「一応、この艦で出来ることはしました。が、やはりすぐに充実した施設のあるところに移送したほうがいいでしょう。そこで、再手術を行うことにはなりますね。今、輸送機を用意しているところです。一緒に、行かれますか?」 の治療をしながら医師がそう言う。頷きかけては止まった。 「艦長に、確認してきます」 医師は頷き、 「付き添えるようなら輸送機に直接連絡を入れてください。あと5分で出発の予定ですから」 と返して部下に指示を出す。 は急いで艦長の下へと向かった。 「そうか。わかった、は付き添ってくれ」 「よろしいのですか?」 艦長は頷く。 「ああ、どうせカーペンタリアに戻っているのだし、この海域で地球軍からの攻撃はまずないだろう。それに、この艦は足が速いから攻撃を受けてもカーペンタリアに向かっていれば何とかなる。ノルンもどうせ使えないんだろう?」 艦長に言われては頭を下げ、敬礼をした。 「では、・はニコル・アマルフィと共に、輸送機でカーペンタリアに帰投します」 「了解した」 形式だけの報告を行い、その場から輸送機に連絡を入れた。 は急いでドックへと向かう。 輸送機でカーペンタリアに帰投し、ニコルはそのまま手術室へと運ばれていった。 はその間にクルーゼの元へと向かう。 「・です」 ブザーを押して声を掛けると「入りたまえ」と返事がありドアを開けた。 「ご苦労だったな。報告は聞いている。ニコルのことも、よくやってくれた」 「いえ。私は何も出来ませんでしたから」 の言葉にクルーゼは口元に笑みを浮かべる。 「ディアッカのことは、まだ心配だが。とにかく、君も負傷した。少し休みたまえ。今、アスランとイザークを載せた輸送機がこちらに向かっている」 は敬礼をして部屋を後にし、手術室へと向かった。 手術室前のソファに座っていると「」と声を掛けられる。 顔を上げるとイザークが立っていた。 「あ。アスランの傷の具合は?」 「ああ。まあ、お前と同じくらい、か。ニコルほど酷くない」 は自分を改めてみる。 「意外と軽症ね。イージス、自爆したんでしょう?」 「だが、一応脱出もしたらしいからな。...痛むか?」 イザークが心配そうにの腕を見る。の左腕の骨にはひびが入っている。それなのに故障したノルンの修理をして1日放置した上にノルンを操縦してしてきた。ついでに、肩も外れていたが、それは無理矢理嵌めた。 医務室で医師にメチャクチャ怒られた。けど、生きて帰ったことを褒められた。 「痛いことは痛いけど、うん、大丈夫。骨折じゃなくて『ひび』だし、肩も脱臼しているけど、動かせないわけじゃないから」 の返答を聞いてイザークはソファに深く背を預ける。 「そうか。良かった」 イザークの呟きには驚いて彼を見た。こんな事、素直に言う性格ではないのに... 「アスランは、ネビュラ勲章だそうだ」 ポツリとイザークが言う。 「...まあ、ストライク討ったもんね」 が返した。 そして、ふと思い立つ。 「というコトは、隊長になるって事?」 それだけ大きな勲章だ。 「さあ、な」とイザークは返して目を瞑り、そのまま黙り込んだ。 あ、寝たのか... は静かになったイザークの顔を覗きこみ、納得した。 手術室のランプが消えた。 は立ち上がる。そのの気配で目が覚めたイザークも立ち上がった。 医師が出てきてたちの姿を確認し、近付いてきた。 「彼は、大丈夫ですか?」 心配そうに聞くに医師は頷いた。 「命には別状ない。が、後遺症は残る可能性がある。しかし、運が良かった。君が、応急処置を?」 が頷く。 「悪く無かったよ」 そう言っての肩に手を置いて医師は去っていった。 それに続いてベッドに載せられたニコルが出てきた。 が駆け寄りその顔を覗きこむ。ニコルが穏やかな表情を浮かべて目を瞑っている。 「まだ、麻酔が効いています」 看護士がそう言いは頷いた。痛々しい手術痕には眉を顰める。 「痕は、治療が終わった後にでも消せる。大丈夫だ」 イザークがの心境を察して声を掛けた。 は頷き、そのままニコルの病室に付き添っていった。 |
桜風
08.4.28
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