| 気がつくとベッドにうつ伏せになっていた。窓の外が明るい。日が昇って結構時間が経っているようだ。 体を起こして頭をかく。髪もボサボサのようだ。 顔を洗いに行って鏡を見て思わず声が漏れる。 「うーわー...」 流石に自分でも驚く。 どうしよう... 途方に暮れていると来客を告げるブザーが鳴る。 「?いい加減起きろ」 その声の主はイザークで、こんなところを見られたらまた怒られると思い、ドアを開けない。 すると「どうした、。何かあったのか?返事をしろ」と段々心配そうな声を出されて罪悪感を感じ、ドアを開ける。 慌てて部屋に入ってきたイザークが見たのは、何ともコメントしづらい婚約者の姿だった。 「どうしたんだ、それ」 呆れて聞いてみる。 「いやぁ。昨日シャワーを浴びたところまでは覚えているんだけど、気がついたらこんなんなってた」 イザークは盛大に溜息を吐いた。 「そこに座れ。あと、ブラシを貸せ」 イザークに言われたとおり、は椅子に座ってイザークにブラシを渡す。 「軍人なら、身だしなみにも気をつけろ」 の髪にブラシをかけながらの小言が始まる。 「申し訳ない」 は小さくなって呟いた。 「自分の体調管理も仕事だろう。シャワー浴びて力尽きて寝るってことはそれだけ体が疲れているんだ。今日は、ノルンに近づくなよ。またブレーキが利かなくなるからな」 「はい...」と渋々返事をする。 取り敢えず、今は「はい」といわないとイザークがうるさいから。 が、 「じゃあ、今日は俺に付き合え」 と言われて、こっそりノルンの様子を見に行くことが叶わなくなる。 「付き合うって?」 「ニコルが目を覚ましたらしい」 イザークの言葉には頷く。「動くな」と怒られた。 「知ってる。昨日の夜、会いに行ったんだ。またイザークと一緒にいくって話してるから」 の言葉にイザークの眉間に皺がよる。 「夜中に行くな。迷惑だろう」 呆れたように言われた。 「だって、居ても立っても居られなかったから...」 ぼそぼそというに苦笑をして 「ほら、これなら悪くないだろう」 とイザークが声を掛ける。 目の前の鏡にはいつもどおりの自分が映っていた。 「すごいね、イザーク」 「まあ。も自分で出来るようになれよ。それが出来ないなら、ちゃんとブローをして寝ろ」 イザークがそう言ってにブラシを返す。 「んー。でも、イザークがしてくれるからいいじゃん。気持ちよかったし」 の言葉にイザークはまたしても盛大な溜息を吐いた。 が、別にそんなに嫌じゃない。けど、そう言ったら本当にこれ以上無頓着になりそうで黙っておいた。 「髪、切ろうかな...」の呟きに「却下」と返して「早く用意をしろ。因みに、もう朝食はないぞ」と付け加える。 「えー!」と不満の声を上げるに「自業自得です」とイザークは返して笑った。 頬を膨らませるに 「病院に行く前に何か食べていけば良いだろう」 と宥める。 「はーい」と未だ不満げなに苦笑してイザークは「廊下で待ってる」と声を掛けて部屋を出て行った。 は急いで服を着替えて廊下に出た。 腕を組んで壁に凭れていたイザークが腕を解く。 「行くぞ」 「うん」 はイザークの隣に並んで歩き始める。 基地内の食堂に向かう。 宿舎の食堂は決まった時間にしか食事を取れないが、基地内の食堂は軽いものならいつでも食べられる。 イザークはコーヒーを注文し、はイザークと同じくコーヒー、そして空腹のためサンドイッチも一緒に頼んだ。 「お花、持って行くべきかな?」 が呟き、 「何処でそんなものが手に入る?」 とイザークが返す。 は暫く沈黙して 「そこら辺に咲いてるのを摘んでですね」 「却下」 の言葉にイザークは静かに一言短く言ってコーヒーを飲んだ。 ちょっと膨れた『フリ』をしてみたが、イザークは『フリ』というのが分かっているので全く気にせずに新聞を読みながらコーヒーを口にしていた。 「何か面白いニュースでもある?」 が聞くと 「いいや。評議会のザラ議長の支持率とか、現在の戦況とかだな、主に」 イザークは新聞をテーブルの上に放って肩を竦めた。 「デュエルの調整は?」 「もう殆ど出来ている。まあ、まだ細かいところは見ておきたいがな。パナマまでの暇つぶしに持って来いだ」 暇つぶしとは不謹慎な、と思いながらもは「へぇ...」と返した。 |
桜風
08.5.5
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