Like a fairy tale 63





オペレーションスピットブレイクのため、たちはカーペンタリアを後にした。

パナマへと向かう中、艦の中でMSの調整を行う。

今回もたちは潜水艦での行動となる。

ノルンの中で細かい数値の調整を行っていた。

昨日はずっとイザークと一緒だったため本当にノルンに触らせてもらえなかった。

腕のひびも、流石にくっついている。脱臼も少し痛むこともあるが、気のせいだろ思えば気のせいだと思える程度のものでほぼ完治している。


スピットブレイクが発動された。

目標は当初聞いていたパナマではなく、ジョシュア。地球軍本部のあるアラスカだ。

は一瞬眉間に皺が寄った。

「ジョシュアだと!?」

デュエルの中で調整を行っていたイザークも驚きの声を上げた。

だが、

「へえ、面白いじゃないか。さすが、ザラ議長閣下。やってくれる」

とイザークは感心している。

調整を手伝っているメカニックがイザークの名を呼ぶ。

「やつら、目標がパナマだと信じて主力隊を展開しているんだろう。まさに、好機じゃないか。これで終わりだな。ナチュラルどももさ」

イザークの目が暗く光る。


ジョシュアの近くの海域に到着し、デュエルとノルンは戦闘に向かった。

「今度は落とされるなよ」

イザークがに言う。

「そっくりそのまま返す」

はそう言って艦隊に向かって行った。

チッと舌打ちをしてイザークの戦闘に加わった。

は全てエンジンのみを撃ち抜いていく。

そのまま地上の敵へと向かう。

「これは、また。的が小さいねぇ」

は呟いてキャタピラにミサイルを掠らせて動けなくし、そのままサーベルで砲台を切り落とす。

ザフトに向かう戦闘機の羽を撃ち落しそのまま空を翔る。


の攻撃した後を上空から見ているイザークは通信を入れた。

「甘いんじゃないか」

「何が?」

が返すと少し不機嫌そうに

「何故コックピットを狙わない」

とイザークが言う。

「私自身に銃口を向けられていないからね」

が答え、いつだったかの言った言葉を思い出した。

自分に銃口を向けた兵士が“敵”だという。

「今は向けられていないというのか?」

「ロックされてないもの」

の簡潔な応えにイザークは溜息を吐いた。

あのノルンをロックするなんてできっこない。大気圏内でもこれだけのスピードを見せているのだ。

一度撃墜されたとはいえ、は殆どその機体に傷をつけずにここまでやってきた。

「それに、砲台がない動けない戦車ってそんなに怖い?空を飛べない戦闘機も意味がないでしょう?」

つまりは、戦力的に無効化しているのだから問題ないだろうというコトだ。

「そいつらが生き残ってまたこちらに攻撃をしてきたらどうする?!」

「また同じことを繰り返す。ただそれだけ、かな?」

「そいつらが俺たちの仲間を殺すかもしれないんだぞ。...ディアッカのように」

流石に最後の言葉は効いたらしい。は黙り込む。

が、突然デュエルに銃口を向けた。

!?」

イザークが驚いていると「動かないで」とそのままビームライフルを放つ。

それはデュエルの横をすり抜けて背後から迫って来ているミサイルを撃ち落し、続けてそれを向けた戦闘機の右翼を打ち抜いた。

「まあ、そう言われたら弱いけど。決めちゃったことだし、変えるとなると今までの私の戦闘全部否定したことになるから。平和になってから反省するわ」

そう言ってはその空域から離れた。


一度艦に戻り補給を受ける。

イザークも続いた。

「さっきはヒヤッとしたぞ」

恨みがましく言う。

「いやぁ、気付いて無かったようだし。あの射線だったら落としたほうが良いなと思って」

がケロリと言った。

そんな中、隊長機が戻ってくる。

イザークは駆け寄った。

「隊長!ゲートを2個落としました!」

得意げにイザークが報告する。

そして、次はメインゲートを落とすというイザークに、メインゲートには足付きがいるとの情報を与えた。

イザークは勇んで艦を後にする。

イザークから少し遅れてノルンに乗り込んだの耳に聞きなれない女の子の声が届いた。

「ん?」

気になったが、「ノルン、射出するぞ」というオペレーターに声を掛けられて「了解」と返し、は艦の外へと出た。









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桜風
08.5.8


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