Like a fairy tale 65





スピットブレイクが失敗に、終わりとイザークは母艦へと帰投した。

既にあのアラスカで戦っていたザフトの兵士たちは全滅との知らせを受けていたため、たちの帰艦は喜ばれたというよりも、驚かれた。

現在は、とにかく残存部隊はカーペンタリアに戻るように命令が出ているのでカーペンタリアに向かっているという。

「お前、本当に運が良いな」

メカニックに言われては困ったように微笑む。今回ばかりは本当に運がいい。

カーペンタリアに戻ると、ニコルがプラントに帰ったと聞いた。

やっと、彼も動かせるくらいには回復したということだろう。

レストルームに向かい、イザークにドリンクを渡しながら「寂しいねぇ」とが呟く。

「別に」

ドリンクを受け取ってイザークが短く返す。

そして、暫くの沈黙後

「あれは、何だったんだ?」

とポツリと呟く。

「知らない方が良いことは、世の中に沢山あるよ」

は小さくそう応えた。

少し驚いてイザークはの顔を見るが、その表情から何を考えているかまでは読めない。

もイザークの視線に居心地の悪さを感じて立ち上がる。

「ノルンのとこに居るから。何かあったら呼んでね」

イザークはこれ見よがしに溜息を吐いて「わかった」と頷いた。







アスランがプラントに戻るとプラント内は混乱していた。

知り合いのユウキ隊長を見かけて彼に事情を聞く。

アラスカに展開していたザフト軍が全滅。そして、ラクス・クラインの裏切り。

突然聞かされたその情報に、アスランは非常に困惑し、そして召集されている議長室へと向かった。

そちらに向かう途中にも擦れ違う兵たちの口から混乱が見られ、アスランは少し歩調を速めて議長室への道を歩いた。

議長室に入ると、父がザフト兵や国防委員たちを怒鳴る。

そして、説明を求めに詰め掛けたアイリーン・カナーバたちを司法局を動かして拘束するように指示した。

スパイを手引きして、ザフトの最新鋭のMS、フリーダムを渡したラクス。誰も知らないはずのアラスカ総攻撃を知っていた地球軍。そして、手際のいいクラインの失踪。

つまり、裏切り者は、シーゲル・クラインだと。

アスランは工場で新しい機体を受領してその奪取されたフリーダムのパイロット、それに係わった人と施設全ての排除を命じられ、フリーダムを奪還できなければ破壊を命じられた。

そのフリーダムとこれからアスランが受領するMS、ジャスティスにはニュートロンジャマーキャンセラーが搭載されている。

つまり、核エネルギーで動いているのだ。

プラントは全ての核の放棄をした。それなのに、何故!?

父に問い質してみると「勝つために必要になったのだ」という。


アスランはニコルの父に連れられて工場へと赴いた。

「ニコルも、彼女の歌が好きだと言っていた」

「...ニコルのことは。本当に」

彼に後遺症が残る事は父親でもある彼には連絡がいってるのだろうか?少しだけそんなことを思った。

何せ、自分が地球を出るときにはニコルはまだ目を覚ましていなかったのだから。

「いや、いいんだ。すまない、わかっているのだがな。戦争なのだから...仇は、君に討ってもらった。あの子は、もう除隊させるつもりだ」

「...はい」

「だが、ニコルや君や多くの若者たちがその身を犠牲にしてまで戦っているのに。何故それを裏切るような真似をする者が居るんだ」

ニコルの父の言葉が重くのしかかった。


ラクスの裏切りが信じられないアスランは彼女の自宅へと行ってみた。

彼女の家は軍による捜索のお陰で、以前の美しかったものではなくなっている。

彼女の居所に心当たりが出来たアスランは劇場に向かった。

彼女の、コンサートの予定されていたそこも軍によってか、はたまた、別の者によってかは不明だが半壊状態だった。

ホールに向かうと彼女が歌っている。

そして、彼女によってキラが生きていると知った。


アスランは、地球に向かう。

キラと話をするために。









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桜風
08.5.12


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