Like a fairy tale 71





フレイを自室に送り届けたあと、とイザークは隊長の下へと向かった。

オーブと地球軍が開戦していると聞いた。

地球軍は一時撤退したらしいが、そろそろ攻撃が再開されるのではないだろうか。

行ってみると、攻撃は再開されていた。

やはり、物量で物を言っている地球軍が圧倒的に有利だ。

が、此処まで持ちこたえるオーブも流石というところだろうか。

モニタに映る4機のMSにクルーゼが興味を示している。

「フレーム的には、イージス、ブリッツ、バスターと同系統のようね。あとは、ストライク..かな?」

が呟く。

イザークがちらりとを見てモニタに視線を戻す。



「何か変化があったら知らせてくれ」と言ってクルーゼが部屋を出てイザークともそれに続く。

「面白く無さそうだな、イザーク。自分もあの中に跳んで行って戦いたいかね」

仏頂面をしたいザークを振り返って足を止めたクルーゼが言う。

突然声を掛けられたイザークは驚いた表情をし、視線をそらせて「いえ」と短く応える。

「オーブはザフトからの支援も拒否しているからな。仕方あるまい」

「自分は別に!」

歩き始めたクルーゼに続いてイザークも歩き始めた。

「ある程度見届けたらカーペンタリアに帰投する。パナマからもうずっと狭い艦内暮らしでもううんざりだろうが、あと少し我慢してくれたまえ」

俯いて思い詰めた表情をしていたイザークが「隊長」とクルーゼに声を掛ける。

彼は足を止めて振り返った。

「何なんですか、あの女は。捕虜であるならそのように扱われるべきだと。が、ジョシュアから隊長が彼女をつれて帰ったのだろうと言っています。だったら、アイツは捕虜ではないのですか?」

イザークの言葉に「ほう?」とクルーゼが興味を示す。

「知っていたのかね?」

「知っていたというより、思い出したというほうが正しいかもしれません。補給に戻った際、コックピットを締める寸前で彼女の声を耳にしましたので。だったら、ジョシュアから連れて帰ったのだろうと推測したまでです」

クルーゼは「ふむ」と頷き、イザークを見た。

「イザーク、銃を撃ち合うばかりが戦争ではないのだよ」

クルーゼの言葉をイザークは理解できなかったらしく「は?」と返す。

「私は鍵を探していた。そして、拾ったのだ。おそらくな」

クルーゼはそう言って足を進める。

「どういうことだ?」

クルーゼの背を見送りながらイザークが呟く。

「さあ?」

は首を傾げて呟く。

「気にならないのか?」

「気になって隊長に『さっきの意味教えてください』って言って、教えてもらえるかしら?」

の言葉にイザークは肩を竦めた。

「ま、隊長からしたらあの言葉が答えなのよ。捕虜ではあるけど、そうではない。たぶんね」

そう言ってはイザークの背を押した。

イザークは仕方なく足を進める。

「ノルンか?」

「そ。どうせ出番ないんだから、今のうちにあの子の調整しておこうって思って」

肩を竦めたイザークもドックに向かうことにした。


は、どう思う?」

デュエルの調整を手伝ってみたいというにイザークが声を掛けた。

コックピットの外でモバイルに数値を打ち込んでいるが手を動かしながら「オーブの事?」と返す。

「そうだ」

イザークもコックピットの中のモニタに目を向けたまま会話を続ける。

「宇宙に上がるんじゃない?で、マスドライバーとモルゲンレーテを破壊」

驚いてイザークは顔を上げる。

「まさか?!」

「何故?」

「それでは、国を放棄するということじゃないか?守るものがないのに、どうして...」

「まあ、イザークだったらそうなるかもね」と返しては顔を上げる。

「だって、それ以外彼らの信念を守る術はないでしょう?地球軍にもザフトにも着かない。その信念は、つまりそう言うことじゃない?」

の言葉にイザークはまだ驚いている。

「人は人よ。イザークはプラントを守るためにザフトに入ったのでしょう?彼らは、信念を守るために戦っているのよ、きっと。たぶん、その違い」

「じゃあ、は...?」

イザークが聞く。

こんな事、今まで聞いたこと無かったと今更思う。

「自分の未来、かな?昔からお祖父様とお父様にそういわれ続けてきたから。もうすっかりその気になっちゃったのね。ま、そんな感じ」

そう言って何だか気恥ずかしそうには肩を竦めて微笑み、また、モニタに視線を落とす。

「なるほどな」

イザークは呟き、デュエルの調整を続けた。









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桜風
08.5.26


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