| オーブの最後を見届けてカーペンタリアに帰投した。 プラントでは、現在情勢が混乱しているようだ。 あのラクス・クラインが反逆者となり、人々を惑わせているという。 それを否定するザラ議長の演説を見ていたが、クルーゼが電源を消す。 よもや帰国命令はラクス・クラインの事ではないかとクルーゼは言う。 クルーゼの独り言のような言葉にイザークが「信じられない」と意見を言う。あの、ラクス・クラインが反逆者だと信じがたい、と。 他の隊員も同じようで表情が暗い。 「さまざまな人間の思惑が絡み合うのが戦争だ。何と戦わねばならぬのか、見誤るなよ」 クルーゼはそう言ってレストルームを後にした。 荷物を纏めて帰国準備をすませる。 「あれ、フレイはどうするんだろう?」 はそう考えたが、これ以上フレイを気にしたらイザークが煩いだろう、と思い余計なお世話を焼くのは辞めた。 なにより、クルーゼが連れてきたのだから、彼が面倒を見る気だろうし。 部屋のブザーが鳴り、 「、そろそろだ」 と声を掛けられた。 ドアを開けると小さな鞄を持ったイザークが立っている。 「久しぶりだね、プラント」 が少しだけ嬉しそうに言う。 「まあ、な。ああ、母上がと食事をしたいと言って来ている」 イザークの言葉には思わず足を止めた。 「何ですって!?」 「評議会の方も忙しいらしいが、絶対に時間を確保するから。お前を連れて来いってさ」 は天井を仰ぐ。 「どうした?」 「服装、何か仰ってなかった?」 が聞くと 「いや、特には聞いていないが。どうした?」 「エザリア様から沢山の贈り物、主にドレスだったけど、を頂いているの。どれをご要望なさるのかしら...」 遠い目をしていうにイザークはきょとんとしてやがて噴出す。 「好きなのにすれば良いだろう?」 「ドレス自体に苦手意識があるんだけど?」 の言葉に「それは、災難だな」と言ってイザークはクスクス笑っていた。 シャトルに乗り込んだ。 は荷物をラックに仕舞いこんでいる。 「イザークのも貸して」 とが声を掛けたのでイザークはの足元に自分の鞄を置いた。 「本国は久しぶりだろう、イザーク。家族に顔を見せて安心させてあげたまえ」 「は!ありがとうございます」 「それとも、と共にどこかに行く予定なのかな?2、3日の休暇は出ると思うぞ」 イザークは驚いてを振り返る。 ラックを閉まったが丁度振り返った。 「何?」と聞いてくる。 イザークは「何でもない」と返して、目の前で立ち止まったままのフレイに向かって「早く座れよ」と冷たく言う。 はその声に肩を竦めた。 フレイは慌ててクルーゼの隣の席へ行き、おずおずと座る。 ふん、と鼻を鳴らしてイザークはの隣に腰を下ろした。 「女の子に冷たく当たったらダメでしょう?」 がこっそりイザークに耳打ちすると「やかましい」と返される。 フレイがそろりとイザークを振り返る。 「怖がる事はない」 クルーゼが言った。自分がちゃんとフレイを守る、と。 その言葉に安心してフレイは肩の力を抜く。 「寝ちゃいな。着いたら起こすよ」 がイザークに言う。 「ああ、分かった」 イザークは腕を組み、椅子に深く体を預けて目を瞑った。 「ああ、どれ着てったらいいんだろう...」 眠りかけた時に耳にしたの呟きに思わず噴出す。 「起きてたの?!」 が言うと 「今、丁度寝られそうだったんだがな」 と言いながら肩を揺らしている。 「一緒に選んでやろうか?」 からかうつもりでイザークは言ったのだが、は目を輝かせて「本当!?」と聞く。 「あ、ああ...」 思い切り当てにされた事態に困惑しつつも、別に嫌ではないので了承してしまう。 どうせ、母の提案した食事会はジュール邸ではなく、最高評議会のあるアプリリウスのどこかでするのだろうから。 |
桜風
08.6.2
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