Like a fairy tale 74





確かにプラントに戻って休暇が与えられた。

イザークは一度家に帰ろうとしたが、時間もないことから、イザークとは軍服でというコトになった。

は先ほどまで圧し掛かっていた重荷から開放されたと大喜びだ。

それぞれの荷物は言うほど多くないので、そのまま食事会をセッティングしてあるホテルのレストランへ持っていくことにした。


「そういえば、カイン殿は?いらっしゃるんだろう?」

エレカを運転しながらイザークが問う。

「たぶん、来る。さっき家に連絡してみたけど、出てこなかったから」

の応えに頷いてアクセルを踏んだ。


母がセッティングしたそこは、アプリリウスで1、2を争う有名なホテルだった。

「ほへぇ...」と見上げるにイザークは苦笑を漏らして促す。

レストランに入って入り口のボウイに声を掛けると席に案内された。

先に来ていたエザリアも評議会の制服であり、を見て残念そうな表情を浮かべる。

「お互い時間がないものね」

そう言ってとイザークを労う。

「あの、父は?」

「お誘いしたのだけれど、ご用事があると仰って。イザークにもよろしくと」

母の言葉を聞いてイザークは意外そうな表情を浮かべてを見る。

にもそれは不思議だったらしく首を傾げていたが、父がこの場に同席できない事をエザリアに謝っていた。

3人の食事は和やかに進む。

ただ、会話の内容はザフト、そして今反逆者として追跡しているラクス・クラインのことだ。

イザークが、クルーゼに言った同じ言葉を言うが、「事実よ。受け止めなさい」と母に言われる。

さん」

エザリアに呼ばれて「はい」と返事をする。

「少し痩せたんじゃないの?大丈夫かしら?」

は微笑、頷く。ただ、エザリアから貰ったプレゼントは、少しだけサイズが合わなくなったかもしれないというコトは言ってみた。

「今は大変な時期ですものね。でも、これが終われば気が休まるから元に戻るわよ」

と言って、戦後の話を始める。戦後の話、というか2人の結婚のことだ。

イザークは慌てて「今はまだその話は早いです」というが、は微笑んでエザリアと会話を続けていた。


食事の途中にエザリアは評議会からの呼び出しを食らった。

「ごめんなさいね、せっかくゆっくりお話できると思ったのに」

恨めしそうに評議会からの電話を取り次いだボウイの背中を見送りながらエザリアが2人に言う。

「いえ、今度また」

が言う。

「そうね。また、今度ゆっくりお話しましょう。さんには、お話したいことが沢山あるから」

エザリアはそう言ってその場を後にした。

イザークは途端に椅子の背に体重を預ける。

「何、どうしたの?」

「いや。何となく、な。は大丈夫か?」

イザークの気遣いにはクスリと笑い、

「ドレスじゃないから大丈夫」

という。

「よほど苦手なんだな。明日は、どうする?流石にカイン殿と2人で水入らずか?」

明日までが休暇となっている。

だから、イザークはに予定を聞いてみた。まあ、久しぶりのプラントだし、父親と一緒に過ごすのだろうと思っていた。

「どうだろう?お父様のご用事、今日だけで終わるのかなーって思ってさ。イザークはどこか行きた..ねえ、付き合ってほしいところが有るんだけど」

イザークの都合を聞こうとして思い留まったはそう言った。

「ああ、俺は別に構わない。さっき見たとおり、母はああだしな。顔を見せるという休暇の目的ももう達したしな。何処に行くんだ?」

イザークの問いには静かに言う。

「お墓参り。いい?」

イザークは一瞬眉を上げて、「分かった」と頷く。

そういえば、の母親にはまだ挨拶をしていない。

何だか少し、緊張してきた...









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桜風
08.6.2


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