| 休暇が済んで、軍事ステーションに向かう。 今回、クルーゼ隊のパイロットも数名抜けたためにその補充がなされた。 その中には“赤”も居ると聞いた。 途中でイザークと合流してヴェサリウスに向かう。 が、は途中ある人物を見つけて足を止める。 「どうした?」 イザークが声を掛けるとは自身の荷物をイザークに押し付けて「先に行ってて」と言いながら駆けていった。 そのが向かった先に居る人物を見てイザークは首を傾げたが、の言うとおりにさきにヴェサリウスへと向かった。 「ホーキンス隊長!」 が声をかけると彼が振り返る。 彼は両腕を広げた。 はその手前で止まる。 「...此処は胸に飛び込むところだろう?」 「それは、失礼しました。以後気をつけます」 そう言いながらは敬礼をする。 「そのつもりがまるっきりないクセに」 と笑いながらホーキンスも敬礼を返した。 「どうした、早く行け。オレに会えて嬉しいというのはよく分かるが...時間、ないだろう」 ホーキンスに促されたがは俯いて動かない。 「どうした?」と聞かれては顔を上げた。 「あの、ホーキンス隊長。最近、父はどうですか?」 に聞かれて彼は眉を上げた。 「どう、とは?」 言って良いものか悩んだ。 「少し、雰囲気が違う気がしました」 「さすが、というべきか。オレもそう思っている。一応、気に掛けてはいるんだがな。どうも...も知っての通り、色々とこちらでも大変だからアイツの事をずっと気に掛けてやれないんだ」 は頷く。それは、分かっている。ただ、確認がしたかっただけだ。 だが、確認した結果がこれか... 「いえ、ありがとうございました」 「前線だろう。気をつけてな」 ホーキンスの言葉に「はい」と返事をしてはヴェサリウスに向かった。 の背中を見送りながらホーキンスは深く息を吐く。 先にヴェサリウスに乗艦したイザークはドックに向かう。 新しいMSが搭載されているらしい。 「これが新しいゲイツか」 見上げて整備中のメカニックに声を掛ける。 今はこれが主力になっていて生産ラインはこのMSを量産しているという。 「これで、ナチュラルどもなんか、あっという間に宇宙から居なくなるんでしょう」 メカニックの言葉が何だかムカついた。 昨日話したの影響か、それとも別の何かか... とにかく不快感を感じたイザークはその場を後にした。 乗艦したを見つけて声をかける。 「ごめん、荷物は?」 「俺の部屋に置いている。ホーキンス隊長と何の話だったんだ?」 「ああ、父をお願いしますってね。一応」 の言葉に「ふぅん」と面白く無さそうにイザークは相槌を打った。 「新しいMSも搭載されてるんだって?」 先ほど別のクルーから聞いたことを聞いてみた。どうやらイザークはドックに行っていた様だから。 「ああ、あったぞ。主力機が数機な」 「新しいパイロットも補充されてるね」 見慣れないクルーが増えている。 「そうだな」 「じゃ、イザークのところに置かせてもらってる荷物を回収したら、ドックにでも行こうかな」 「...またノルンか?」 不機嫌なイザークに 「宇宙仕様に、OS書き換えないと。出撃させてもらってもドッカンでしょ?」 とは返してイザークの部屋へと向かった。 新しいMSを見上げて「ノルンの方が可愛い」と呟いてそのノルンへと向かう。 何故かついてくるイザークに上着を渡してコックピットに入った。 「時間は掛かるのか?」とコックピットを覗き込みながら言うイザークには顔を上げる。 「ううん、一度設定したことがあるものだから。そう掛からないと思うよ。待ちたかったらどうぞ」 の言葉にふん、と鼻を鳴らしてイザークはノルンに背を凭れた。 メカニックが騒ぎ出す。 どうやら本国からエターナルの追撃命令が出たらしい。 「エターナル?」 「新造艦だ。足が速い。けど、どういうことだ?あれはまだ実戦に投入されていないだろう」 「というか、何で追撃?」 も首を傾げる。 しかし、距離とスピードの問題でどうやらヴェサリウスは追わないことにしたようだ。 アスランがエターナルのブリッジに顔を出すと振り返ったのはラクスだった。 その存在に驚き、さらにその前に座る艦長があの砂漠の虎だという。彼が復帰した話を聞いたことが無かったため、アスランは呆然とした。 そして、最も驚いたのが 「アスラン!」 オペレータのシートに座っている人物の存在だ。 「ニ..ニコル!?何でお前!君の父上は、もう除隊させると言っていたぞ」 「ええ、そういわれました。けど、僕にも出来ることがあると思ったんです。だから、大喧嘩の末に除隊しなかった。そして、またもの凄く怒られそうですけど、この艦で戦う事を決めました」 あの優しい笑顔でニコルが言う。 「ニコル、お前...」 本当に生きていた。 自分がプラントに帰る日、に教えてもらって彼の病室へと行き、生きている事を知った。 言葉を交わすことは出来なかったけど、温かい頬に触れて生きている事を感じた。 アラームが鳴り、敵の接近を知らせる。 ヤキンの守備隊だ。 軍からエターナルの追撃命令を受けての出動らしい。 この艦にMSはなく、そして、ラクスの言葉も聞き入れられない。 そして、ザフトMSからの攻撃によりミサイルの直撃を受けるかと思われた。 が、待機していたフリーダムにより、その危機を脱してアークエンジェル、クサナギと合流する事ができた。 「ニコル!?」 「ディアッカ!?」 お互い、生きていたことを知らない2人が再会する。 「え、どうして...」 ディアッカが問う。あの爆発だ。死んだと思っていた。 「が、助けてくれました」 「!?も生きてたのか!!」 「ええ。今も多分、イザークと一緒でしょう?」 ニコルの言葉でディアッカの頭に過ぎるあの2人。どうしているのだろうか。 「僕も、ディアッカが生きているのには驚きました。MIAになったって聞いてましたから」 ニコルの言葉にディアッカは肩を竦めて「ま、そうだろうな」と納得する。 「けど、アスランもニコルが生きてるのを知ってるんだったら早く教えてくれても良かったのに」 とディアッカが文句を口にし、 「本当ですね。僕も、今の今までディアッカが生きているなんて思っていませんでした」 とニコルが笑う。 「ニコルとも、初めて気が合った気がする」 「そうですね」 お互い顔を見合わせてまた笑う。凄く嬉しかった。 |
桜風
08.6.9
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