| エターナルがヤキンの防衛網を突破した知らせを受けて、ブリッジでブリーフィングを行う。 ノルンの調整を丁度終えたはイザークと共にブリッジへと向かった。 ブリッジには新しく配属されたパイロットと、艦長、クルーゼ、そしてフレイが居た。 イザークと共にモニタへと向かう。 「揃ったな」 エターナルの予測進路が映し出されて、それはL4コロニー軍へと向かっていた。 廃棄されたコロニーが多数存在し、その中の多くはまだ機能が生きている。 以前、そこを妙な集団が根城にしているとの通報を受けて捜索しに行った事がある。 イザークはずっと俯いている。 画面に映し出されている地図から顔を上げない。 「イザーク」 名前を呼ばれてイザークは顔をあげてクルーゼに顔を向けた。 「今度出会えばアスランは敵だぞ。討てるかな」 試すようなクルーゼの言葉に「無論です!」とイザークは応える。 「裏切り者など」と続けるイザークの表情はやはり少し辛そうだ。 「、君も大丈夫かね」 「はい。彼が私に銃口を向けるのなら」 と静かに応えた。 ブリーフィングが終了し、ブリッジを後にする。 「!」 食堂から自室に戻る道すがら声を掛けてきたのはフレイだった。 「隊長と一緒に居なくても良いの?」 彼女は隊長と一緒に居るから他のクルーからの安全が保証されているようなものだ。 「ええ、大丈夫」 そう言って俯く。 「先に行ってるぞ」 一緒に居たイザークがに声を掛けてそのまま何処かへ向かった。 「どうしたの?」 フレイが俯いたままだ。 「部屋に来る?」 の言葉に彼女は頷いた。 の部屋に入ってもフレイは俯いたままだ。 「ねえ、」 「何?」 「この戦争、どうやったら終わるの?」 フレイに聞かれては言葉をなくす。 「...分からない」 本心だ。 戦争はなくならないというのがの持論で、でも、終わると良いと思う気持ちだって持っている。 「あの人が、」とフレイが言う。 フレイが“あの人”というのは隊長のことでは頷いた。 「あの人が、鍵を手に入れたって言ってたわ。そして、此処にあってもその扉が開かないって」 「“扉”?」 「戦争を、終わらせる扉」 は素直に驚く。 戦争を終わらせる扉とは何だろう?そんなもの、本当に存在するのだろうか。 クルーゼはいつもまだるっこしい比喩表現を口にする。それは、着任したときから思っていたことだ。 けれど、比喩と言うのは何かがあって、それを別の言葉で表現するというということ。 つまり“扉”と表現しているが、戦争を終わらせる何かを掴んでいるのは本当だろう。 しかし、その鍵はどこにあれば戦争が終わるのか... 「隊長は、何て?」 の問いにフレイは首を振る。 「そっか。じゃあ、仕方ないね」 驚いたようにフレイが顔を上げる。 「まだ終わらない。どうやったら終わるかとか、いつ終わるかとか。それは、分からないし。わかっている人が居たらそれも何だか妙な話よ。私、予知能力とか信じてないし」 の言葉にフレイは俯く。 「けど、フレイ。気をつけて。イヤな予感がずっとしているの。取り越し苦労である事を祈るけど、どうだろうね」 の言葉にフレイは怯える。 「ごめんね、怖がらせて。でも...」 「は」 不意にフレイが顔を上げる。 「は、友達を撃てるの?」 彼女の言葉には微笑む。 「私、イザークみたいに優しくないから」 「でも、私には凄く親切にしてくれているわ」 フレイの言葉に、はゆっくりと首を振った。 「けどね。フレイが私の守りたいものを傷つけようとしたら、迷わず銃を抜くわ」 フレイの目が揺れる。 「これが、私なの。全然優しくない。嘘つきだし、秘密も沢山持っているの。イザークの方がよっぽど優しいわよ。言い方が冷たいかもしれないけど、率直にものを言っているだけ、自分が嫌われたり怖がられても、それでも相手に自分の言葉を向けているのだから」 フレイが顔を上げるとは寂しそうな表情を浮かべて微笑んでいた。 「それでも、私はに感謝しているわ」 フレイの言葉に「ありがとう」と呟いた。 |
桜風
08.6.13
ブラウザバックでお戻りください