Like a fairy tale 85





地球軍の進撃が開始された。

隊、出撃する!」

の隊は出撃をした。

は遊撃に向かうため、MS隊の指揮は副官に行わせる。

「何だって、私を隊長にしたかな...」

は呟きながら敵艦隊に向かって行った。





ヤキンデューエの本部内でクルーゼの出撃をパトリック・ザラが命じる。

ジェネシスの準備が整うまでの時間稼ぎに出撃をさせるのだ。

そして、その後ろに控えている人物にも、声を掛けた。

「シルバーレイ。期待しているぞ」

「...ああ」

同じく本部を去っていく。

彼の背を横目で見てパトリックは口角を上げる。

「これで、我らの勝利は確定した」


「ラウ・ル・クルーゼだ。プロヴィデンス、出るぞ!」

クルーゼの機体に続いてもう1機出撃する。

白銀色の機体だ。プロヴィデンスよりも早く宇宙を駆ける。

「さすが、シルバーレイだな。ブランクを感じさせない」

クルーゼは口角を上げてそう呟いた。


「隊長!」

部下から通信が入った。

「何だ」

ホーキンスか返すとその横を白銀の光が伸びていく。機体は違うが、見間違うはずがない。今までずっと見ていたあの背中だ。

「あいつ、何で...」

少し前に彼の娘に声を掛けられた。

「ったく。本当に馬鹿なことしてたのかよ、お前まで!!」

ホーキンスは毒づく。

が、今はこの宙域を離れる事は出来ない。

「後でオレが確認する。アレは、たぶん味方ではない。近づくなよ」

「でも、シルバーレイ...」

「...いや、違う。いいな、死にたくなかったら近づくなよ」

そう言ってホーキンスは通信を切った。

「気をつけろ、





ジェネシスの2射目が発射された。

それは地球軍の月基地へと向けて発射された。

そして、第3射の準備に掛かる。

はそのまま地球軍の旗艦へと向かうことにした。恐らく、先ほどの攻撃で地球軍の援軍の大半が墜ちただろう。

しかし、そこへ向かう途中にMA部隊が向かってくる。

「核ミサイル、ね?」

ズームした映像で確認する。

はランチャーを構えてそれを照射した。

半数近くが散ったが、それでも数が多い。

高エネルギーが迫ってくる。

が避けると頭上から別のMSからの攻撃がある。


ジュール隊も出撃していた。

「プラントに放たれる砲火、ひとつたりとも落とさせるんじゃない」

部下たちにそう通信を入れてを探す。

最前線に出ているだが、こうも混戦状態だとそう先には行けていないだろう。どんなに足が早くても障害が多ければ足を止めるしかない。

後方から攻撃がある。

振り返るとレイダーがデュエルを狙っていた。

「クッ...」

これまでか、と思った矢先、レイダーが撃たれて離脱する。

レイダーの背後に居たのは、バスターだった。

「ディアッカ...」

は!?」

「たぶん、前線に...」

思わず応えた。

「はあ?何でこんなときに限ってお前等一緒に居ないの!?」

ディアッカが呆れたように言うとイザークが「やかましい!」といつものように返す。

そのまま2人は共闘を続けた。


その前線では地球軍艦隊を落としていく。

優先的に核ミサイルを搭載している艦を狙う。

ふと振り返ればアークエンジェルとドミニオンが戦闘を展開していた。

そんな中、アークエンジェルに被弾したストライクが着艦するため、ハッチを開けた。

しかし、ドミニオンからシャトルが数機出てきた。

「脱出...?」

はその様子に首を傾げた。この局面で艦を放棄するというのか?

その直後、主砲が開き、発射に向けてエネルギーを充填し始める。

はドミニオンのメインエンジンを撃った。

その衝撃で照準は外れ、直撃するはずだったそれはアークエンジェルの回避行動も相まって何とか撃沈されずに済む。






「艦長、テキストで通信です」

ミリアリアがマリューに声を掛ける。

「どこから?」

「恐らく、あのMSからです」

「なんと?」

「『ジョシュアでの借りはこれで返させてもらった』と」

彼女の言葉にジョシュアでフリーダムがデュエルを助けた事を思い出す。

「『援護を感謝する』と返して」

「あの、続けて入って来てます。『ブリッジに艦長らしき人物と、水色スーツがまだ残っている。好きに対処をしたらいい。艦長は負傷しており、そう長くはもたないだろう。先ほどの砲撃で艦の機能を停止させたため、生命維持装置もそうもたないと思われる』とのことです」

ブリッジでそんな会話をしている中、フラガが帰投する。

「ムウ」

マリューが声を掛ける。今ノルンと交信したそのやり取りを話す。

「行ってみる?向こうはもう何もないでしょ?」

見ると、ノルンが砲門を全て破壊していた。

負傷しているムウにそれを頼むのは、と思ったが、他にパイロットは無く、術がない。

「んじゃ、オレしかないでしょう?大丈夫、オレってば不可能を可能にする男だからさ」

とにかく、ムウの応急処置だけでもということで、救出に向かうことにした。

「2時の方向からMSです。ライブラリ称号、..ありません!」

向かってくる白銀色の機体に、再びブリッジが緊張の空気に包まれた。









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桜風
08.6.30


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