Like a fairy tale 88





「こちら、ザフト軍隊。。真に身勝手ながら着艦許可をいただけると嬉しいのですが...」

「大丈夫です、どうぞ」

の通信に応じたのは、ニコルではぱかーっと口を開けて呆然としていた。

、イザークに怒られますよ。口を閉じて」

促されて慌てて口を閉じる。

「何で、ニコル...?」

「僕にできること、ですよ」

そう言ったニコルが誘導し、はエターナルに着艦した。

コックピットから降りると

「よー、

と手を挙げたメカニックに驚く。

「何で!?」

「いや、まあね。ノルンは補給、だろ?」

「はい。あと、オーディンの右腕、ノルンに付け替えれますよね?たぶん、フレームもあまり変わらないと思います」

の言葉にオーディンを見てメカニックは頷く。

「おう、大丈夫そうだ。なあ、コイツ。核で動いてたようだぜ」

メカニックに言われて思い当たった。だから、あんなにパワーがあったんだ...

「エンジンも付け替えるか?」

「核は、要りません。けど、使います。オーディンはそのまま持って出ますので、置いておいてください」

はそう言ってオーディンのハッチを開ける。

うっすら目を開けた父の鳩尾に思い切り拳を入れた。

その行動に周りにいたメカニックたちが驚き、2、3歩下がる。

「よっこいしょ」と言いながらコックピットから父を取り出して「医務室、どこですか?」と聞いてそこへと向かった。


医務室の前にはニコルがいた。

「久しぶり」

「ええ、本当に。お父さん、大丈夫ですか?」

「ああ、気絶してるのはさっき私が鳩尾に拳入れたからだと思う。あのさ、お願いがあるの」

はニコルに頼みごとをして医務室のドアを開けた。

医務室内の武器になりそうなものを全て撤去した。

部屋のブザーが鳴り、「俺だ」とイザークの声がした。

は医務室を出る。

「俺は何をすればいいんだ?」

「自分の銃、持って来てくれてるよね」

メカニックに言付けておいた。イザークが来たら、銃を持って医務室に来てほしい、と。

頷くイザークを見てはイザークに自分の銃を渡す。

「これは、カイン殿から...」

「うん。お父様の目が覚めたらこれを渡して」

イザークは目を見開く。そんなことをすれば...

は頷いた。

「だから、イザークにも銃を持ってきてってお願いしたの。お父様がこの銃を手にして貴方に銃口を向けたら迷わすお父様を撃って。あまり苦しませないであげてね。でも、お父様が撃たずに、別のことをしたいと言ったら、そうさせてあげて」

何のことわからない。

イザークが眉間に皺を寄せていると「イザーク!?」と声がして顔を向けてイザークは開いた口が塞がらなくなり、口を開きっぱなしになった。

「ああ、婚約者って此処まで似るんですね」

笑いながらニコルが言う。慌ててイザークは口を閉じた。

、これで良いですか?」

ニコルはパソコンを持ってきていた。

「うん、ありがとう。イザーク、お父様がパソコンがほしいといったら、これを渡して」

とイザークが会話をしているところで居心地が悪いのか、ニコルが「じゃあ、僕はこれで」と言ってブリッジに戻った。

「これを?」

「うん。お願いね。じゃあ、私はもう行くから」

イザークは思わずの腕を掴む。

「何処へ行く」

「...欲しい未来を手にするために。要らないものがあるから、それを壊さないと」

微笑んで言うにイザークは俯いた。

「何で、貴様はいつも」

悔しそうに呟く。

「ごめん」

の謝罪を聞いてイザークは目を瞑る。

「今度は、ちゃんと全部話せ。お前のことで知らない事が多すぎる。ったく、俺を何だと思っているんだ」

「うん...」

「ちゃんと、帰ってこいよ」

は頷いてドックへと向かう。

その背中を見送っていたイザークは頭を振って医務室へと入り、カインの目覚めを待つ。

「待ってばかりだな、俺は」

思わず呟く。

『待つ』というのは案外辛いものだと、何となく思った。









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桜風
08.7.7


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