A memorial day 6





「フレイおねえちゃん!」

ノルンがフレイを見つけて駆け寄った。

「大丈夫?」

フレイはノルンとヴィンセントを抱きしめた。

「ママが...」

「大丈夫。なら、きっと」

そう言って振り返る。警邏隊が到着したのだ。

ふと、その中に見知った人物が居て駆けた。ノルンとヴィンセントもそれに続く。

「ミゲル!」

「んー?おーフレイ。ノルンとヴィンセントも久しぶりだな。オレ、今仕事中」

「おとうさんに繋いで!」

通信機を見ながらフレイが訴える。

「へ?いや、ムリだって。何でいきなりトップレベルの...」

そう言って止めるミゲルから通信機を剥ぎ取ってコードを入力する。

「なんで国防委員長のコードなんだよ...」

彼女の手元を覗き込みながらミゲルが呟く。

『もっしもーし』

「おとうさん!」

軽い口調出てきたのは国防委員長のカイン・ではなく、その親友で国防副委員長のヴァン・ホーキンスだった。

『おー、フレイどうした?これ、ザフトの回線だぞ?』

もっとしっかり叱ってください...

ミゲルは心の中でそう訴えた。

が!」

がどうした?そういや、今日はミーアとデートじゃなかったか、お前』

「ミーアが人質になったの!えーと、何だっけ。ブルーコスモスと別の変な集団が来て。えーと...」

状況をろくに把握していない自分がもどかしい。

『ちょっと待ってろ』ホーキンスはそう言って後ろを振り返った。

「お宅の娘さん、なんかしでかすつもりらしいぞ?」

おそらく、後方で仕事をしているカインに声をかけたんだろう。

「何をするつもりだ?」とカインが問う。

『何すんの?』

「民間人ですけど、MS乗るかもしれませんのでー、って」

「MS乗るんだと」とホーキンスはやはり振り返って言うと「MSがあるのか。ホーキンス、指示を出せ。あと、その民間人に無茶するなと伝えてもらってくれ」と言ってカインが立ち上がり部屋を後にした気配がある。

『無茶するなって伝えられるか?』

「ムリよ!いま、一緒に。ミーアと一緒に人質になってるんだもん!!」

そう言ったフレイの後方で「ニコルーーーー!」というの声が聞こえた。

「ミーアお姉ちゃん!!」

傍に居たノルンが声を上げる。

周囲も悲鳴を上げた。しかし、その落下地点には既にボートがある。

ボートが深く水に沈んで波が立つ。

じっと見守っているとボートが走りだした。きっとミーアは無事だろう。

『ミゲル居るか?』

「はい!」

ミゲルに用事があるらしいのでフレイはミゲルに通信機を返してボートが着岸しそうな場所へと向かった。

「ノルンたちはここに居て。あ、それ。絶対に汚したり濡らしたりしてはダメよ?」

ノルンが大事そうに抱いている荷物を指差してフレイは駆け出す。

「ぼくも!」とヴィンセントが言ったが、ラスティのSPがそれを止めた。そして、そのモールから遠ざかる。なるべく、高いところに居なくてはいけないだろう。


「ミーア!」

「フレイ!!」

ニコルの手を借りてミーアはボートを降りる。

は?」

「たぶん、あのMS乗っ取ってる」

そうラスティが返した途端、上空から何かが落ちてきた。

「あとひとり」とニコルが言う。

どういう意味だろうとフレイがラスティを見上げた。

「複座型だったから、パイロットは2名。1名..たぶん今落ちてきたのは手前のやつだけど。問題は奥の方だなー。落とすの大変だろうに」

上空のMSを見ながらラスティが唸る。

「でも。って武器持ってないじゃない!!」

噛み付くように言うフレイに苦笑して「いや、持ってるよ」と返しながらラスティがボートから離れる。

「何処行くの?!」

「湖から離れるの。危ないよ。高台に避難しないと。MSが落っこちてきたら大きな波が立って、ちょっとここじゃ危ない」

ニコルも頷いてミーアに声をかける。

が残ってるじゃない!」

「もう手が出せないって。良いから、ほら。フレイも」

そう言ってラスティはフレイの手を引く。たしかに、もうを助けることは出来ない。

フレイは渋々ラスティに手を引かれてその場から遠ざかる。

歩きながら見上げたMSからはまだ誰も落ちてこない。

その代わり、銃声が鳴り響いた。









Next


桜風
11.6.13


ブラウザを閉じてお戻りください