A memorial day 14





イザークが新しい書籍が欲しいといっていたので書店に向かっていると電話がかかってきた。

自宅からなので出てみたら『パパはおバカじゃないよ!』と娘に怒られた。そして、一方的に切られては呆然とする。

「...なんだ?」

もちろん、ノルンは大きな声で怒鳴ったのでイザークの耳も彼女の言葉を拾っている。

「さあ?でも、ルナマリアがイザークのことをおバカって言うはずないし...」

「というか、寧ろ。が俺の事をそう言っていたと誰かから聞いたんだろう?」

というか、そんなことを言っていたのか?!

イザークの責める視線が少し痛くては視線を外した。

暫くイザークはを睨んでいたが、はあと溜息を吐く。

「まあ、大方ラスティ辺りが言ったんじゃないのか?」

「何でラスティ?」

しまった、とイザークは思わず口を手で覆うところだった。しかし、それをすれば決定打になる。だから、それは何とか堪え、

「あいつ、しょっちゅう家に来てるんだろう?が体調崩した後は仕事が忙しかったとか何だで来れなかったと聞いたぞ。手が空いたから来てみたんじゃないのか?で、ついでに世間話をした」

イザークがを見下ろすとは物凄く疑わしげな表情をイザークに向けている。

「まあ、いいですけどね。イザークさんがノルンのナイショの内容を知っていても?わたしはそんなイザークが物凄く驚く秘密を持っていますから?」

そう言って勝利を確信した笑みを浮かべる。

「...なんだ、それは?」

そんな表情をされては気になるのが人の気持ちと言うものだ。

「まだ秘密。いいじゃん、ほら。行こうよ」

腑に落ちない、という表情を浮かべてイザークは手を引かれるままの後をゆっくり歩いた。



このコロニーで最も大きな書店に着いた。

イザークは専門書のコーナーへと向かい、は別のコーナーに向かって行った。

ポケットに入っているモバイルが震えたため、イザークは忌々しく思いながらもそれを取り出した。仕事の話だった無視しようと決め込んで送られてきたメールを確認し、苦笑をした。

メールはディアッカからで内容は、シンがイザークにばらしたのを聞いたからついでに協力しろと言うものだった。帰る時間の指定がされている。

了承の返事を打った。

「まだ?」

ひょいと覗き込んできたに内心驚きつつも、「ああ、見つけた。会計をしてくる」と言って、先ほど確保した本をレジに持っていった。

店を後にして近くの公園に向かった。

ぽかぽか陽気が気持ちよい。

室内よりも屋外が好きだというのリクエストだ。

途中、コーヒーとクレープを購入して近くのベンチに腰を下ろす。

、重そうだな。何を買ったんだ?」

そう言ってイザークはベンチの上にが置いた書籍の袋の中を覗き込んで固まった。

...?」

書籍のタイトルから視線を外せなくなったイザークは彼女にこの本を購入した意図を説明してもらいたくて名前を呼んでみた。

「次はどう転んでもオリジナルでしょ?そんなイザークのために買ってみました」

が購入した本は全て名前に関するものだった。

「聞くぞ?」

「どうぞ?」

「なんだ、これは」

「『本』です」

「『名づけ』?」

「犬のじゃないからね」

「待て、落ち着け、

「イザークがね?」

あれ?似たような会話、昔したよね?

は可笑しくなった。

「確認するぞ?」

「どーぞ!」

「子供が、出来たのか?」

「ね?イザークが物凄く驚く秘密だったでしょ?」

イザークは瞑目した。

やられた...

「MSに乗ってアレくらいのGで倒れるってのがどうしても納得いかなくてね。で、よくよく考えたら毎月来るべきものが来てなくて。もしかして...って。病院に行ってみたらビンゴ。お祖父様の予言、当たったわ」

がからからと笑う。

「先代の予言...?」

「うん。前の戦争が終わってお祖父様に挨拶に行ったときに『どうせもう1人2人生まれるだろう?』って言われてたから」

それは予言ではなく、期待だ。しかし、そんなことはどうでも良い。

「待て、。貴様、妊娠してるのにMSに乗ったのか?!」

「えーと...それ、気づく前」

「日ごろから自分の体調管理をしていないから中々気づけなかったんじゃないのか?!」

あれ?説教モードに突入してしまった...?

仕方ないのでは神妙な顔をして、イザークの説教をさらりと聞き流した。









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桜風
11.8.8


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