Dear my friends 3





HRが終わると瑞希がやってくる。

、サボろう」

「転校初日にそれですか。無理でしょう、普通に考えて」

「何だよ、付き合い悪いな」

「...ハジメちゃんもサボリ?」

の言葉に一は苦笑する。

「あのさ、この年で“ハジメちゃん”ってのはないんじゃないか?」

一の言葉には首をかしげて、

「まあ、気にしないでもいいんじゃない?ゴロちゃんっていう前例があるし」

「悟郎と一緒にするな...」

「何だよ!ゴロちゃんとお揃いってポペラ感動するところだよ!!」

「...ポペラ?」

何だか変な単語が混ざっている。

「ああ、それって悟郎がよく使ってるポペラ語。気にしなくていいぞ。その言葉を抜いて聞いてもいいから。てか、本当に真面目に授業を受けるのか?」

「そりゃ、まあ。あ、ハジメちゃんサボるんだったら教科書貸して。教科書も間に合わなかったから」

「あ、制服も?だから、私服なのか。どういうキャラ狙ってるのかと思ったけど...」

一は納得したようにうんうんと頷く。

「え、そうなの!?じゃあ、ゴロちゃんの予備の制服、貸してあげるよ。今からバカサイユに行こうよ」

「...バカサイユ?」

説明を求めるように一を見上げる。

「あー、うん。クラブハウスの隣に建ってる建物の事なんだけど、翼が建てたんだ」

「翼、アレ」

知らない名前が出てきて一瞬眉を顰めたに気づいた瑞希が教室の中にいる人物を教えた。

もの凄く目を惹く容姿だ。ハーフっぽい。

「でも、は授業出るんだろう?」

一が言うとは頷く。

「えー、授業くらい良いじゃん。大丈夫だよ、サボろうよ」

悟郎が言うが「ごめんね」とは断る。

「じゃあ、まあ。教科書、貸してやるよ。ああ、そういや、昼飯は持ってきてるのか?」

「学食で済ませようって思ってたから特に持ってきてないけど」

「じゃあ、昼はバカサイユで食べちゃおう!!」

両手を挙げて悟郎が言う。

“バカサイユ”と言う単語が凄く気になる。

もの凄く不安になる。

「じゃ、あとでな」

そう言って今日の午前の授業の教科書をごっそりの机の上に置いて一は教室を出て行く。

「じゃ、ゴロちゃんも。ポペラ後でね!!」

は手を振って悟郎を見送った。

「本当に、授業、受けるの?」

「まあ、うん」

「じゃあ、昼。迎えに来るから」

そう言って眠そうな足取りで教室を出て行った。


女子生徒たちの鋭い視線を背に受けながら午前の授業が終わった。

、授業終わった」

チャイムの最初の音がなった途端に教室のドアを開けて瑞希が戻ってきた。

そのことについて教師が注意をするが、全く気にしない瑞希はそれを無視しての腕を引いて教室を出て行く。

「ちょっと職員室に寄らせて」

の言葉に瑞希は頷いた。

進行方向を変えてそのまま職員室に向かう。

職員室の前の廊下で「待っててね」とがいい、瑞希は大人しく頷く。

「失礼します」と職員室に入っていくを廊下の窓から瑞希が心配そうに彼女の背を見送る。

「衣笠先生」

「ああ、どうしました。さん」

「こちらの書類、お願いします」

そう言いながら差し出された書類を受け取り、広げる。

「ああ、はい。放課後までに揃えておきますね」

「お手数をおかけします」

一礼してそのままは職員室を後にした。

「衣笠先生?」

悠里が不思議そうに彼に顔を向けた。

「何ですか?」

さんは、衣笠先生に何の用事で...」

「編入時の書類に目を通したらきっとわかりますよ」

そう言って衣笠は自分の席に戻っていった。

「書類?」

悠里はの編入時の書類を目にして「ええ!?」と声を上げてそのまま衣笠の席まで駆けていく。

「き、衣笠先生!これは...」

保護者のところに“衣笠正次郎”とある。間違いなく、それはこの目の前に居る学校の教師だ。

さんの保護者の方は今北海道にいるんですよ。それで、こちらで保護者が必要な書類は僕が面倒を見るって話をしているんです。彼女は一時は僕の姪にもなったことのある子ですから」

「え、..姪って!?」

「まだ、ヒミツです」

ニコリと微笑み衣笠は先ほどから預かった書類の必要箇所に記入していく。

何だかそれ以上聞けない雰囲気になって悠里は納得いかないが、何も言わずに自分の席に戻っていった。

色々と波乱万丈な1年になりそうな気がしてきた。










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桜風
08.6.20


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