Dear my friends 7





先ほど一に聞いたとおりは昼間に行ったバカサイユへと向かった。

「ちょっと、アンタ」

声を掛けられて振り返ると数人の女子生徒が立っていた。

「わたしのこと?」

「そうよ、アンタ以外に誰がここに居るのよ」

周囲を見渡しては「確かに」と頷いた。

「何普通にバカサイユ宮殿に向かってるのよ」

正式名称だったんだ...

あの建物があまりにも馬鹿馬鹿しいから愛称のようにそう呼んでいるのかと思っていた。

「瑞希..斑目瑞希が居るかもしれないって聞いたから」

「瑞希君を呼び捨てって良い度胸ね」

と、言われても。

昔からの知り合いで昔からそう呼んでいたのだから今更「斑目君」なんて呼べない。何だか気持ち悪い。

「用件は何?」

「その制服も、ゴロちゃんのだって聞いたんだけど?」

「制服が間に合わなかったから借りてるの。で、用件は?さっきから全く話が見えないんだけど...」

「クラスXの生徒がそんなに大きな顔してると目障りなの」

は不機嫌に眉を顰める。

「用件は何?ってさっきから聞いてるんだけど。用がないならこれで。さようなら」

そう言ったが彼女たちに取り囲まれた。

「あのね、転校してきたばかりだから知らないでしょうけど。私たちはクラスAなの。クラスXなんかとは雲泥の差。月とすっぽんの差があるくらいのレベルの高いクラスなの」

「だから?」

用件は何だと聞いているのにまだ用件を言わない。

会話が出来ない成績優秀者というのは如何なものかと思う。

彼女たちに聞こえるように大仰に溜息を吐いた。

「ちょっと、さっきから見てればアンタってもの凄くナマイキね」

「バカみたいに群れている人たちに非難される覚えは全くないんだけど?で、用件は?これ、3回目」

「その態度がムカつくって...!」



名前を呼ばれた様な気がしてバカサイユの方を見ると白いのが近づいてきた。

「ま、斑目君!?」

、帰ろう」

「まだ学校に居たんだ。良かった」

を取り囲んでいた女子生徒たちは瑞希のために道を開ける。

と並んで歩き出した瑞希が振り返る。

女子生徒たちを短く睨んでそのままゆっくりと歩き出す。


「大変そうだね」

の頭を撫でながら瑞希が言う。瑞希の肩に載っていたトゲーもの肩に移る。

「バカサイユってそんなに特別な場所なの?」

の言葉に瑞希は首をかしげて「さあ?」という。

自分にとってはあの場所は特別といえば、特別だが他の者たちが近寄らないからどちらかといえば嫌われている場所ではないだろうか。

「ところで、僕と帰ってよかったの?バカサイユに行こうと思ってたんでしょ?」

何となく彼女が絡まれていたからそのまま一緒に帰っていたのだが、バカサイユに何か用事があったのではないだろうか。

「バカサイユには瑞希を探しに行くところだったから。今日は瑞希の家に行くって葉月お姉ちゃんと話してたんだけど...瑞希は聞いてなかったの?」

今日の出かけ際に姉から「今日はお客様が来るからね」とは言われていた。

「誰?」と聞いてみたら、「学校に行けば分かると思う」とワケの分からないことを言われていたが、が教室に入ってきた途端にそのお客様が誰か気がついて、そして嬉しくて思わず教壇の上にいるに抱きついていた。

「誰が来るってのは聞いてなかったけど。でも、だったんだね」

は嬉しそうに頷いた。

「そういえば、本屋に寄らなくても良いの?教科書、ないって...」

「うーん、でも瑞希は人ごみ嫌いでしょ?後で一人で行くよ」

の言葉に瑞希は俯く。

「ごめんね。僕が一緒に行って荷物持ちしてあげられれば、も助かるだろうけど...」

「大丈夫。わたし、こう見えて力持ちなんだから!」

そう言っては力こぶを作ってみせる。

瑞希は頬を緩めての頭を撫でる。

「ホント、大きくなったね。何食べてそんなに育ったの?」

「分からない。勝手に大きくなった。ね、トゲー?」

「トゲー!」

「いいなー。ハジメちゃんの言ったとおり、結局わたしの成長期は中2で終わったもんなー」

ぼやくようにいうに瑞希は苦笑する。

「丁度いいよ、それくらいが。可愛い」

「瑞希、性格少し..変わった?」

「変わらない。僕は変わらないよ」

は悲しそうに目を伏せる瑞希の頭を撫でようとしたが、背伸びしても届かない。

「...瑞希、ちょっと屈んで」

「ん?」

よく分からないけど、と言った風に彼は言われたとおりに膝を少し折った。

「大丈夫だからね。わたし、瑞希好きだからね」

背伸びして瑞希の頭を撫でるの声が温かくて瑞希はそのままの姿勢で暫く大人しく撫でられていた。










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桜風
08.6.29


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