Dear my friends 11





日直は出席番号順で、しかも男女でペアになるようにというようになっているらしい。

本日の日直はと清春だった。

清春はきっと何もしない。

一緒に日直だと聞いたときからまあ、何となく分かっていた。

授業が終わって黒板を綺麗にし、放課後は残って日誌を書いて戸締りをして。

まあ、単なる雑用だ。

だからひとりでもできる。


は放課後、職員室に日誌を戻しに向かった。

「あれ、仙道くん?」

何やらいたずらをしていたところを衣笠に見つかって職員室に連行されているところだった様子だ。

「おう、ご苦労」

清春が何も悪びれる様子もなく、一言そう言った。

「おや、さん。日直ですか?」

「ええ、まあ。はい」

「日直は男女でペアですよね?さんは今日は誰と?」

衣笠に聞かれては彼の連れているクラスメイトに視線を向けた。

「おやおや。日直の仕事をサボってイタズラをしていたんですか?お仕置きが必要、ですかね?」

ニコリと穏やかに微笑みながらそういうから怖さ倍増である。

「別に私は構いませんけど」

は一応言っておいた。

衣笠の言葉を聞いて怯える清春を見れただけでもめっけもんだ。


「失礼します」と職員室に入ると、国語担当の葛城が担任の悠里を口説いている。

彼は何故か手マイクでエコーの効果を出せられる。

どういう仕組みなのかさっぱり分からない。

今もその手マイクで「子猫ちゃーん」とか言いながら悠里を口説いている。

いい加減、どうして良いのか分からないという表情で悠里が困っていた。

そんな中、パシーンともの凄く小気味のいい音が職員室に響いた。

「ッたーーーーー!!誰だ!この銀児様の頭をはたいた奴は!!」

後頭部を抑えながら勢いよく振り返ると日誌を左手に持った女子生徒が立っていた。

!どういうつもりだ!!」

は2秒くらい沈黙し、

「...大きな蛾が。先生の頭に留まりそうだったので。頭がかぶれるってちょっと大変でしょうから。追い払うつもりでフルスイングをしたらちょっと目測誤りました。ごめんなさい。蛾は逃げちゃいました。窓の外に」

とさらりと嘘を吐く。

凍りついた職員室の空気が少しずつ溶けていく。

「先生、日誌です」

何事もなかったかのように今ここに来た用事を済ませようとするだったが

「おい、こら。それでも教師を叩くとは、いい度胸だな」

とすごまれる。

「ごめんなさい。今度からもっと遠くからフルスイングします。今回の事で学習しましたから」

態度は改めない。

「ああ、葛城先生。良かったですね。蛾の毒で頭の皮膚がかぶれたら、頭皮に影響が出てもう髪が生えなくなるかも知れませんよ。蛾が留まる前でよかったですね」

衣笠がフォローに入る。

「衣笠さぁ〜ん。衣笠さんがそう言うなら、そうなんでしょうね。おい、。今度は気をつけろよ」

「はい」と軽く答えて「失礼します」と職員室を出ていった。



「あー...思い出した。そりゃ、もそうしちゃうかもな」

昨日の職員室での出来事を悠里から聞いた一が笑いながらそう言った。

本日も補習である。

「そうなの?」

「ほう?そんなにあいつはviolenceな性格なのか?」

真面目に補習を受けている翼が興味深そうに言った。

「いがーい!」

悟郎も今日は捕まった。

「ああ、いや。の性格はそう好戦的でもないけど。似てたなー。なあ、瑞希。葛城先生を見たときなんか懐かしいとか思わなかったか?」

「......うん」

吐息のような肯定の声を漏らした。

「どういうこと?」

の親父さんの性格になーんとなく似てるんだよ、葛城先生。あの軽い口の回り様がなー。まあ、はそんな親父さんの性格をあまり好きじゃないみたいだから、咄嗟に手が出たんだろうなー」

ニヤニヤと笑いながら一は呟いた。

その場に居合わせたかった。

「へえ?じゃあ、オレ様は、すげー運が良かったってコトかァ?」

「だな。たぶん、も反射で手が出ただけだろうから」

「...さん、苦労してるのね」

同情するように悠里が呟いた。










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桜風
08.7.1


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