Dear my friends 14





「ポペラたっだいまー!!」

ガラリと勢いよく教室のドアを開けて悟郎が入ってきた。

教室内にいた人物たちの目が集まる。

「みんなのアイドルゴロちゃんだよ」

「ホントに戻ってきたのかよ」

苦笑しながら一が言う。

「というか、はどうした?一緒だったんだろう?」

瞬が言う。

確かに、この場に派手に登場してきたのは悟郎だけでが居ない。

ちゃんは、鳳先生に捕まっちゃったよ」

「鳳...?あいつは地理も歴史も得意だったよな」

翼の眉間に皺が寄った。

さんは成績にばらつきがないから。国数英の3教科は特に良いけど...」

悠里も何となく不思議に思ったようで話に入った。

が、

「じゃあ、悟郎君も席について」

「...へ?」

悟郎に席に着くように促し、補習を再開させようとした。

「あ!や!!あのー...そう!ゴロちゃんお土産持ってきたから休憩休憩!!」

そう言って先ほどと共に購入してきたアイスを机の上に並べた。

「へー!ダッツじゃん」

やっと休憩だと言った感じに立ち上がって悟郎が並べたアイスの元へと向かって1個手に取る。

「あ!それはゴロちゃんのストロベリー!」

そう言って悟郎は一が手にしたそれを奪い取った。

「んじゃ、これは?」

次に取ったのはグリーンティだった。

「えー、とちゃんのってどれだったっけ?」

「たぶん......バニラ」

「あ!そうだったかも!!さすが瑞希だね!バニラはちゃんに残しといてー。ほら、センセも!!」

グリーンティはどうやら食べてもいいと納得して一はそれを口にし始めた。



「驚いたよ、夏休みなのにさんがいるから」

そう言って職員室の協議机の上に冷えた麦茶を出された。

「ちょっとね、聞きたいことがあったんだ。さんの傍には大抵誰かが居るから少し聞きにくくて。それでなくても普段の職員室は人が多いしね」

回りくどいなーと思いながらも

「鳳先生は、夏休みは大学の研究室で研究をなさると伺いましたけど?」

のその言葉に驚いたように鳳は眉を上げて苦笑する。

「ああ、よく知ってるね。そうだよ。ただ、今日は宿直だったからね。早めに切り上げてきたってワケだよ。私も来たばかりだ」

なるほど、と納得した。

「それで、わたしは5年間ハジメちゃ、..草薙君に会ってないので何を聞かれても分かりませんけど?」

鳳はまた苦笑した。

「何で分かったんだい?」

「さっき先生が仰いましたよ。わたしの傍には大抵誰かしらがいるって。それってB6の誰かってコトですよね?それ以外の友達居ませんし。彼らに聞かれたらちょっと具合が良くない。けど、わたしに話を聞きたい。なら、草薙君か斑目君でしょうけど、鳳先生は何だか草薙君に心を砕いていらっしゃるようですから」

の言葉に鳳は拍手をした。

「うん、素晴らしい。実はその通りなんだ。...岡崎君の事も知ってるよね?」

数秒悩んでは頷いた。

「私も少し気になって色々と調べたんだよ。あの2人はリトルリーグ時代からのコンビだったんだって?」

「少なくとも、小学校卒業するまでは。それ以降の事は知りません。ただ...」

は一度口ごもった。

「言ってみてくれないか?」

「草薙君は何もしてません。幼馴染としての言葉なので身内贔屓も甚だしいかもしれませんけど...ま、今の素行を考えたら岡崎君の言葉を信じる大人の方が多いでしょうけど。草薙君は学校の成績は悪いかもしれませんけど、筋は通します。ガキ大将でしたから。弱い子を守る」

が言うと鳳はいつも以上に優しい微笑を称えた。

「そんな感じだね。私はね、去年のあの事件が少し気になっているんだ。さんの言うように、どうにも草薙君ははめられたって感じがしてならない」

「でも、真相を究明して..その先はどうされるんですか?とりあえず、今の草薙君はそれを歓迎するとは思えませんよ。時期と方法を間違ったら、彼は二度と大人に心を開きませんよ?」

はそう言って麦茶を飲んだ。

「うん、それは確かに難しいと思っている。そしてね、私はずるいことに調べるまでしかしないつもりなんだ」

調べるだけでやめる。

確かに、ずるい。

は目を伏せた。

「ハジメちゃんの、信じられる大人を減らさないでくださいよ?」

そう言って立ち上がり、

「以上ですよね?失礼します」

と頭を下げて職員室を後にした。

「ああ、まったく。頭の回転の速い子だ」

苦笑しながらの出て行ったドアに向かってそう呟いた。










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桜風
08.7.11


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