Dear my friends 16





ちゃん!うん、やっぱりゴロちゃんが見立てたとおりポペラ可愛いね!ね、ハジメ!」

プールサイドに腰掛けて足でパシャパシャと水飛沫を上げるの傍まで泳いできた悟郎が満足げに言った。

「まあ、そうだなー」と一は何だか落ち着かなさそうに視線を彷徨わせていた。

「ハジメちゃん、照れられるとリアクションの困るから辞めてよ」

に指摘されて「お、おう...」と返事をするもやはりを正視しない。

肩をすくませてまたパシャパシャと足で水飛沫を上げる。

「もしかして、ちゃん。泳げない?」

「んなことないよな?小学生のときはちゃんと泳いでたぜ?」

ハジメが悟郎の言葉を否定する。

「うん、でもね..」

言葉の途中で誰かに背中を押されてはプールの中に落ちた。

「バカ、キヨ!!危ないでしょ!!」

悟郎が怒鳴る。をプールの中に落としたのは清春だ。

「さっき、ヘチャがオレ様にやったことをやり返しただけだぜェ!?」

そういって全く悪びれない。

そのまま悟郎と清春の口げんかが展開されているが

「おい、が上がってこんぞ!」

と瞬が慌て始める。

「はあ?!」と清春。

「え、ちょっと。もしかしてホントに泳げないの!?」と悟郎。

一が慌てて潜るとの姿はなかった。

周囲を見渡すと水の中を歩いているの姿があった。

そこまで泳いで一は潜る。

上に上がれと指差すとは首を振った。

が、そろそろ息がまずいだろうと思ってその腕を引いて水面に出てそのままプールサイドへと連れて行く。

ちゃん、溺れちゃったの!?人工呼吸要る?!」

「息、出来てるから大丈夫」

「ちょい、手ぇ貸してやって」

の体を支えながら一が言うと瞬が手を貸す。

「大丈夫か?」

「うん、何とか」

さらりとそういうから大変さが全く伝わらない。

、泳げって。泳いだ方が移動するの楽なんだから...」

プールから上がって一が呆れてそういうが

「足の着かないプールで泳いだことない。というか、泳ぐと体力なくなるでしょ?」

が言う。

「は?」

「足の着かないプールで泳ぐの怖いから。あと、わたしって何というか浮かない体質らしくてねぇ」

困っているのよ、と言った感じに溜息交じりにが言った。

「えーと。ちゃんはこのプールでは泳がないの?」

「泳げないの」

だから、先ほどもプールの底を歩いていたのだと言う。

息が続かなくなったら底を蹴って一時でも水上に顔を出して息継ぎをするつもりだったのだと。

「教えてやる。うん、泳げるようにしてやる。上手く泳げた方がどう考えても体力削らないだろう」

そう言って一はとりあえず浅く作ってあるほうへとを連れて行った。


ちゃんって面白いよね」

「...まあ、変わってるかもな」

呆れたように瞬はそう言い、清春もそれには頷いた。

「そういえば、シュンは明日ライブだよね?ゴロちゃん行くからね!」

「わかった」と悟郎の言葉に瞬は頷いた。

「じゃあ、じゃあ。ちゃんも誘おうっと!」

そう言って一との元へと向かった。

とりあえず、水面に浮いての泳ぎを見ていた一の背中を蹴っ飛ばしてその上に乗る。

ガボガボと言いながら一は沈んでいる。

はそれを見下ろす。

「ねえ、ゴロちゃん」

「ねえねえ、ちゃん!明日何か予定ある?」

「いや、特にこれと言って何も...というかゴロちゃんハジメちゃんが...」

「じゃあね、明日ゴロちゃんとデートしよう!明日ね、シュンのライブがあるんだよ」

「えーと..七瀬くんのバンドってヴィスコンティだっけ?というか、ハジメちゃんが...」

が見下ろす一はもう暴れていない。というか、暴れられないくらい酸素が足りないのではないだろうか。

「ゴロちゃん、ハジメちゃんこのまま沈んでたら溺れて人工呼吸が必要になると思うのね。で、この場合、何故か先生が責任を感じて先生による人工呼吸になるんじゃないかなー。まあ、わたしがしてもいいけど。流石に幼馴染見殺しにすると寝覚めが悪いし」

のその言葉を聞いて悟郎は慌てて一の上からどいてそのまま顔だけ水面に持ち上げる。

「ハジメ!起きてよー!センセに迷惑掛けるわけにはいかないでしょ!!」

「ゴロちゃん、人工呼吸してあげたら?」

悟郎なら画面的に毒にはなりそうにないと思う。

「え、やだよ。ゴロちゃんはハジメとちゅうなんてしたくない!ハジメ、起きちゃいなよ!!」

そう言いながら悟郎は一の頬を手加減なくひっぱたき始める。

何度目かの往復ビンタでやっと一がむせて咳を始めた。

「ハジメちゃん、大丈夫?」

「悟郎!お前、オレ花畑見えたぞ!!何すんだよ!!」

「よっかったー!ゴロちゃんセンセとちゃんの唇は守れた!!」

「く、唇!?」

悟郎の口にした単語に驚いて一が声を上げてを見る。

「人工呼吸の必要性の話」

の言葉に何となく納得したが、何故と悠里の名前が出るのかと悩むが、結局話が見えないまま終わってしまった。










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桜風
08.7.18


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