Dear my friends 22





翌日、は教室にやってきたがその周りにはB6がいなかった。

その噂はすぐに広まった。

いつも一か悟郎が居たため何も言えずに居た女子生徒たちは今がチャンスとばかりにちょっかいを出す。

一や悟郎は何とかしてやりたいとも思っていたが、彼女自身がそれを拒絶している。

「トゲー、の傍に居てあげて」

瑞希がそう言ってトゲーを遣る。

の読んでいる本の上に白トカゲが現れ、は苦笑した。

「トゲー、瑞希のところに戻ってあげて。わたしは独りに慣れてるから。瑞希は、ずっと長い間トゲーと一緒だったからトゲーが居ないと寂しいよ、きっと。ありがとね」

「トゲー...」

シュンとした感じにトゲーが鳴いて瑞希の元に戻っていった。


「衣笠先生!」

昼休憩に珍しく職員室に一がやってきた。

「一君!?どうしたの?」

悠里が驚いて用件を聞く。

のお袋さんって今何処に居るんだ?」

「教えられません」

ニコリと微笑んで返す。

「何だよ、ケチ臭い事を言うなよ!」

「ケチで言ってるのではありませんよ。個人情報保護法って言うものがあるんです。さんのお母さんのお住まいとかは個人情報に含まれるんです。少なくとも、この学園ではそれは開示できない情報なんですよ」

「何だか難しい話だな。ってか、オレとおばちゃん知り合いだし」

「ダメなものはダメです」

一は不快感をあらわにしたが、目の前の衣笠は穏やかな笑顔を浮かべたままだ。

「分かったよ、あんたに頼まない」

踵を返してそのまま職員室を出て行った。

「あの、教えてはいけないんですか?」

悠里が聞くと

「ええ。でも、彼女のお母さんなら簡単に調べられますよ」

と返す。


一はバカサイユに向かった。

ドアを開けると中にはB6が揃っていた。

「翼、パソコン借りるぞ」

「ああ、全く構わないが。何をする気だ?」

のお袋さん探す」

ムキになってキーボードを叩く一に溜息を吐く。

「ねぇ、少しそっとしといた方が良くない?」

悟郎が言うが

「いいや。こうなったらおばちゃんに話して理由を聞いてみる!このままだったら全くの考えてることわかんないだろ!?」

と拗ねたように返す。

確かに、理解不能だ。

「もういいだろ?あのヘチャなんて、放っておけよ」

清春が言うが、一は返事をしない。

「しかし、そんな簡単に見つかるのか?」

、言ってただろう?おばちゃん北海道の大学に居るって。獣医の偉い先生だから、たぶんヒットする」

そう言っていると「あった」と瑞希が呟く。

そのページを表示すると確かに記憶に残っている人物の写真があった。

「本当にこの人であってるの?」

悟郎も覗き込む。

当たり前だが、と苗字が違うのでそうだとは言い切れない。

「この人だ!オレの師匠なんだから」

「師匠?」

瑞希が問い返す。

「そ。オレの動物師匠。間違うはずがない!!」

ふう、と溜息を吐いて翼が立ち上がる。

パチン、と指を鳴らして「永田」と秘書の名を呼ぶ。

何処からともなく名を呼ばれた秘書が姿を現した。

「自家用ジェットの用意をしろ。北海道に行く。着いたら車だ、いいな」

「畏まりました」

「...翼!?」

の態度にかなり腹を立てていた様子だったのに、と不思議に思って彼を見た。

「別にあいつのためではなく、一のお節介に手を貸すだけだ」

「ありがとう、翼。瑞希は、どうする?」

「...僕は、こっちに残る。が、心配」

「ゴロちゃんも気にかけておくから安心して!」

「ナギも只管お人よしだなァ」

呆れたように清春が呟く。

「ま、幼馴染のためってね。翼、悪いな」

そのまま一と翼、そして彼の秘書がバカサイユから出て行った。









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桜風
08.8.1


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