| 聖帝祭、当日。 結局は風邪を引くのをやめた。だって、前日に本当に翼からドレスを貰ってしまった。 だったら着ないと... 「ってかさ、何でエスコートとか言うわけ?普通のダンパで良いじゃんね?」 「学校側が認めるわけないだろう。こういうフォーマルな雰囲気のパーティだから学校側が生徒に丸っと任せているんだろう?」 バカサイユで着替えてから会場となる校内のホールに向かう。 「ああ、そういえば。先生と真壁から聞いた。も随分、その...手を貸してくれたそうだな?」 何の話だろう?? 「...今日のライブだ!」 イライラしたように瞬が言う。 「ああ、うん。別に...そうやって改めてお礼を言われるほどのものでもないかなー」 「お前が教師たちの説得を頑張ってくれたとか聞いたぞ?」 「そんなことないよ」と返してそのまま会場の中へと足を向ける。 「それよりも、今日のライブ。楽しみにしてるから!反対してた先生たちを黙らしちゃいな!」 指で拳銃の形を作ってウィンクをしながら瞬を撃つ。 瞬は「おう」と笑った。 「ちゃーん」 ドレス姿の悟郎が駆けて来た。 の腰を引き寄せて瞬がそれを避けさせる。 「何だよ、シュン!もうエスコートは要らないでしょ!!ちゃんを独り占めするなんてずるい!!」 悟郎がそう言って訴える。 悠里もここにやってきたため、色違いのお揃いドレスが揃った。 「ゴロちゃん、水色のドレス可愛いねー」 「んー、ありがと」 少し複雑そうな表情を見せて悟郎はそう言った。 ちなみに悠里は紫ではピンクだ。 翼が言うにはこれは悟郎の指定らしい。 「ほう?黒子にも衣装だな」 「誰が黒子だ!」 翼の言葉に反射的に突っ込みを入れてしまった。 「...先生。わたしたち、一生懸命補習してますよね?」 「ええ、一生懸命補習してるわ」 と同じ気持ちになった悠里は項垂れて応えた。 「ツバサ、間違ってるよ」 「What!何だと!!??」 「マゴにも衣装だよ」 悟郎の言葉にと悠里は眉間に皺を寄せる。 何だか、やっぱり間違ってる雰囲気が漂ってくる。 「悟郎君?」 「ん?何、センセ??」 「漢字で書くとどういう文字かしら?」 聞くのが怖いけど、と付け足した。 「こうだよね!」 そう言いながら宙に漢字を書く。“孫”と。 と悠里は同時に項垂れた。 「センターまで、あと少し...」 「半月以上もあります、先生」 「ん?ゴロちゃんも間違ったの??」 は頷く。 「馬に、子で、馬子」 その言葉を聞いてと悠里は顔を上げた。ぱっと表情が明るくなる。 いつの間にか瑞希が来ていた。 「瑞希偉い!!」 何でこんなことで喜んでいるんだろう... は背伸びをして瑞希の頭を撫でようとしたが、手が届かない。 「屈むように」 が言うと瑞希は頷いて膝を折った。 「瑞希偉い!」 先ほどと同じ言葉を繰り返して瑞希の頭を撫でる。 「あ、トゲーもおしゃれしてる。可愛い!!」 瑞希がつけてやったのか、トゲーが赤いリボンを首に巻いている。 「トゲー!」 の頭にトゲーが飛び移る。 「トゲー、ダメだよ。の髪が崩れる」 トゲーに向かって瑞希は手を伸ばし、トゲーはその腕を伝って瑞希に戻る。 「、可愛いよ」 瑞希があっさりそう言った。 「ありがとう。瑞希もかっこいいよ」 ニコリと微笑んでもそう返す。 何だ、このさらりとした会話は?? ちょっと言いにくいな、と思っていたのに瑞希はさらりと言った。 ホールの中に曲が流れる。 「、」と言って瞬が手を差し出した。 「えーと...」 どうしたら良いのだろうか。 「おい、早くしろ」 つまりは手を取れということなのだろうな... おずおずと手を重ねてみた。 瞬はフッと笑ってをホールの方へとエスコートした。 ダンスは初めてだと言っていたは意外と綺麗なステップを踏む。 「踊ったことはないといってなかったか?」 「本では読んだことがある」 「...どういうジャンルの本を読むんだ、お前は」 呆れたように瞬が言う。 「雑食ですから?」 笑いながらは返し、1曲終わる。 「じゃ、ライブ頑張って!」 礼をしてその場で瞬はライブの準備に向かった。 |
桜風
08.10.3
ブラウザを閉じてお戻りください