Dear my friends 47





聖帝祭、当日。

結局は風邪を引くのをやめた。だって、前日に本当に翼からドレスを貰ってしまった。

だったら着ないと...

「ってかさ、何でエスコートとか言うわけ?普通のダンパで良いじゃんね?」

「学校側が認めるわけないだろう。こういうフォーマルな雰囲気のパーティだから学校側が生徒に丸っと任せているんだろう?」

バカサイユで着替えてから会場となる校内のホールに向かう。

「ああ、そういえば。先生と真壁から聞いた。も随分、その...手を貸してくれたそうだな?」

何の話だろう??

「...今日のライブだ!」

イライラしたように瞬が言う。

「ああ、うん。別に...そうやって改めてお礼を言われるほどのものでもないかなー」

「お前が教師たちの説得を頑張ってくれたとか聞いたぞ?」

「そんなことないよ」と返してそのまま会場の中へと足を向ける。

「それよりも、今日のライブ。楽しみにしてるから!反対してた先生たちを黙らしちゃいな!」

指で拳銃の形を作ってウィンクをしながら瞬を撃つ。

瞬は「おう」と笑った。

ちゃーん」

ドレス姿の悟郎が駆けて来た。

の腰を引き寄せて瞬がそれを避けさせる。

「何だよ、シュン!もうエスコートは要らないでしょ!!ちゃんを独り占めするなんてずるい!!」

悟郎がそう言って訴える。

悠里もここにやってきたため、色違いのお揃いドレスが揃った。

「ゴロちゃん、水色のドレス可愛いねー」

「んー、ありがと」

少し複雑そうな表情を見せて悟郎はそう言った。

ちなみに悠里は紫ではピンクだ。

翼が言うにはこれは悟郎の指定らしい。

「ほう?黒子にも衣装だな」

「誰が黒子だ!」

翼の言葉に反射的に突っ込みを入れてしまった。

「...先生。わたしたち、一生懸命補習してますよね?」

「ええ、一生懸命補習してるわ」

と同じ気持ちになった悠里は項垂れて応えた。

「ツバサ、間違ってるよ」

「What!何だと!!??」

「マゴにも衣装だよ」

悟郎の言葉にと悠里は眉間に皺を寄せる。

何だか、やっぱり間違ってる雰囲気が漂ってくる。

「悟郎君?」

「ん?何、センセ??」

「漢字で書くとどういう文字かしら?」

聞くのが怖いけど、と付け足した。

「こうだよね!」

そう言いながら宙に漢字を書く。“孫”と。

と悠里は同時に項垂れた。

「センターまで、あと少し...」

「半月以上もあります、先生」

「ん?ゴロちゃんも間違ったの??」

は頷く。

「馬に、子で、馬子」

その言葉を聞いてと悠里は顔を上げた。ぱっと表情が明るくなる。

いつの間にか瑞希が来ていた。

「瑞希偉い!!」

何でこんなことで喜んでいるんだろう...

は背伸びをして瑞希の頭を撫でようとしたが、手が届かない。

「屈むように」

が言うと瑞希は頷いて膝を折った。

「瑞希偉い!」

先ほどと同じ言葉を繰り返して瑞希の頭を撫でる。

「あ、トゲーもおしゃれしてる。可愛い!!」

瑞希がつけてやったのか、トゲーが赤いリボンを首に巻いている。

「トゲー!」

の頭にトゲーが飛び移る。

「トゲー、ダメだよ。の髪が崩れる」

トゲーに向かって瑞希は手を伸ばし、トゲーはその腕を伝って瑞希に戻る。

、可愛いよ」

瑞希があっさりそう言った。

「ありがとう。瑞希もかっこいいよ」

ニコリと微笑んでもそう返す。

何だ、このさらりとした会話は??

ちょっと言いにくいな、と思っていたのに瑞希はさらりと言った。


ホールの中に曲が流れる。

、」と言って瞬が手を差し出した。

「えーと...」

どうしたら良いのだろうか。

「おい、早くしろ」

つまりは手を取れということなのだろうな...

おずおずと手を重ねてみた。

瞬はフッと笑ってをホールの方へとエスコートした。

ダンスは初めてだと言っていたは意外と綺麗なステップを踏む。

「踊ったことはないといってなかったか?」

「本では読んだことがある」

「...どういうジャンルの本を読むんだ、お前は」

呆れたように瞬が言う。

「雑食ですから?」

笑いながらは返し、1曲終わる。

「じゃ、ライブ頑張って!」

礼をしてその場で瞬はライブの準備に向かった。









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桜風
08.10.3


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