Dear my friends 50





午後になってチャイムが連打された。

不審極まりなかったが、今この家に誰も居ないため自分が出るしかない。

ちなみに、と一は買い物に出ている。が買いたい物があるから一に荷物持ちをするように頼んだのだ。

「あっれー?ミズキ早い!ちゃんは?」

訪問者は悟郎だ。

「いる。けど、今は留守」

そう返してそのまま家の中に戻った。悟郎もそれに続く。

「おっじゃましまーす。って、ちゃんは何処行ったの?」

「買い物...」


暫くしてドアの鍵が開く音がした。

「ただいま!あれ、ゴロちゃん」

「おー、悟郎。よく来たな」

と一が家の中に入ってきた。

は悟郎の傍に置いてある見慣れないバッグを目にして..見なかったことにした。

聞いたらダメだと本能がそういう。

「おじゃましてまーす!ね、ね、ちゃん。ゴロちゃんね、お泊りセット持ってきたんだよ。ポペラ偉いでしょう!」

聞かなくても教えてくれた...

というか、悟郎の乗りなら何となくそういうこともあるのかなとは思っていた。

は改めて彼がB6だと言うことを思い知った気がした。

「てか、何さっきの!?ハジメがなんで我が物顔で『よく来たな』って言うわけ!?」

「グググ...!!ちょ、悟郎、タンマ...!!」

悟郎は何やら一の首を絞めながら問いただそうとしている。とても気に入らなかったのだろうか。

瑞希はそれを気にせずにたちが購入してきたものを冷蔵庫に入れたり仕舞ったりしている。

「ちょ、ゴロちゃん。一、死んじゃう。というか、此処が殺人現場になっちゃう」

「止め..方、お、かし...くない..か...!?」

一が訴える。

そろそろ落ちそう...

「あー、まあ。そうだね。まあ、一がこの家に一番最初に来ていたから。滞在時間では最長だよ。その間に色々と勝手知りたるってことになったからね。気にしないで。とりあえず、首を絞めてる手を緩めてあげて。またお花畑が見えちゃうかもしれないから」

「なぁんだ。そんな事か。ゴロちゃんポペラびっくりしちゃったよ」

の説明を聞いてパッと悟郎は一の首に掛けていたその手を離した。

その傍で一はむせている。

本当に、悟郎は容赦がない。

ちゃん、大掃除はどんな感じ?ゴロちゃんお手伝いするよ?」

「んー、一と瑞希が朝から来たからね。殆ど終わってるのよねー」

の言葉に悟郎は驚きの表情を浮かべて「抜け駆け!」と2人を指差した。

「あー、そうだ。ゴロちゃん。これ手伝って」

そう言ってキッチンから何かを持ってきた。

「裏ごし?」

「うん、芋きんとん作ろうかと思って。それ結構腕の力要るんだよね。お願いできる?」

「オッケー」と言いながら悟郎は腕まくりをする。

「てか、悟郎。何だこの大荷物」

一が悟郎の傍に置いてある彼の荷物を目にして呟く。さっきの悟郎の話は聞いていなかったらしい。

「お泊りセット」

「...は!?」

流石に一も驚いた。

うん、それは全うな反応だ。

「そうか。泊まるなら着替えが要るもんな」

「待て!」

は思わず止めに入る。

「へ?」

「『へ?』じゃないですよー。皆さん、自分の性別を言ってみなさい」

「ゴロちゃん、可愛い立派な男の子!」

「オレも、ご覧の通り」

「......うん」

「じゃあ、わたしは?」

「ポペラ可愛い女の子!」と悟郎。

「まあ、昔と変わってないなら..女の子だよな?」と一。

「......うん」瑞希。

は遠い目をした。

何だ、自分の認識は間違っているのか??

「というか、布団がないよ?」

が言うと

「ゴロちゃん雑魚寝でいいよ」

「そのつもりだし」

「......うん」

もうどうとでもなれ。

でも、今日来る全員がそのつもりだったらどうしよう...

狭すぎる。

しかし、その数時間後。は非常識の集団の中の常識と言うものは全く意味をなさないと言うことを痛感することとなる。

まあ、この時点でそれは覚悟していたのでそこまで衝撃はなかったのが幸いだったと思われる。









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桜風
08.10.10


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