Dear my friends 55





「あの、さん。私も本当に良いの?」

の住むマンションに帰りながら悠里が言う。

「6人も7人も同じです。というかもてなす気、ゼロなのでそれはご了承ください。ってか、重いよ!ハル!!」

先ほど社務所の前で巫女さんが配っていたお神酒を口にした清春が酔ってしまった。

というか、口をつけただけでこれとは意外だ。

そして、清春はの頭に顎を乗せて体重をかけている。

最初はふざけているだけだと思ったのだが、どうも様子が違い、瑞希がから離そうとしたら騒いで収拾がつかなくなったのだ。

仕方ないから、この状態で家に帰るようにした。

ああ、本当に大凶のご利益って有り難いなぁ...

は遠い目をしながら自宅に向かう。

悠里は悟郎のわがままのお陰での家に行くことになった。


の家に帰って皆はコタツの中に入っていく。

家に帰ったら清春も大人しくコタツの中へと移動した。

「大丈夫だった?」

瑞希が問う。

「うん、大丈夫。重かっただけだから」

が言うと少し安心したように微笑んだ。

「おい、drinkはまだか!」

「はいはい、お待ちくださいませねー」

そう言いながらケトルをコンロに掛ける。

「手伝いましょうか?」

「先生も向こうで休んでください。ものっ凄く狭いところで申し訳ありませんが」

の言葉に「そんなことないわよ」と悠里が言おうとしたら「本当にな」と翼の言葉がかぶさった。

ああ、もう...ホントに。

全員分のコーヒーと、瑞希には紅茶を淹れてコタツに向かった。

「あれ、ハルは寝ちゃった?」

「あー、うん。すぐにゴトンッてなったぞ」

コタツから離れている瑞希もコクリと舟を漕いでいる。

「何だ。皆はもう眠いのか?」

翼が残念そうに呟いた。

「あのさ、シャワー浴びてもいいかしら?」

が不意に言う。

「ちょ、待て。突然だな...」

「わたしは寝る前にシャワーを浴びるかお風呂に入るかしない寝られないの。お風呂は今からお湯を張るのが面倒だからね」

そう言って一度部屋に戻って着替えを持ったがバスルームに向かっていった。


「...ちゃん、ゴロちゃんたちを男の子だって見てないよね」

「昼間あんだけ騒いだくせにな」

自分たちが泊まるといったら性別確認をしてきたと言うのに...

「何の話だ?」

瞬が聞くと悟郎がそれに応える。

「えーと、さんの反応は全うなものだと思うわ。世間一般常識で言うところではね」

もしかして、もその一般常識の感覚を失いつつあるのではないかと悠里は心配しはじめる。

まもなくシャワーの水音が聞こえ始めて何だか落ち着かなくなった彼らはテレビをつけた。

元旦は夜中もずっと何かしらの番組をしているから助かるなとか何となく思っていた。


暫くしてが着替えて出てきた。

「ゴロちゃんたちもシャワー浴びたかったらどうぞ。タオルはあるから」

そう言いながら髪を乾かしている。

「んー、ゴロちゃん眠いから今はいい」

「オレも朝派」

「同じく」

どうやら皆は今は良いらしい。

「あそー?」とは軽く返した。

「で、わたしはもう寝るけど...おやすみー。先生はこちらにどーぞ」

そう言っては悠里を連れて隣室の自室に入っていった。



「凄...!さんこれ、凄くない?」

の部屋に入って悠里が驚いた。

「ん?ああ、本ですか?何か、時間のあるときに買って読んでたらこんなことになったんですよ」

そう言いながらはクローゼットから服を引っ張り出していた。

「とりあえず、これに着替えてください。その格好じゃ寝にくいでしょ?B6は向こうで雑魚寝ですから、良ければ先生はわたしと一緒にベッドで寝てください」

の言葉に「ありがとう」と返して悠里は服を着替えた。

「あ、先生。シャワーどうします?たぶん、隣はもう寝てると思うし」

の言葉に耳を澄ませた。

確かに、テレビの音も消えているし、隣から灯りは洩れてきていない。

テレビはきっと瞬の指導で消されたんだろうなー...とか、消灯も瞬の指導だろうなーとか思いながらはそのまま布団に入り、「お邪魔します」と悠里が入ってきた。

「あ、そうか。私、さんのお家の中に入るのって初めてだわ。皆のは、一応1回ずつは家庭訪問しているのよね」

「家庭訪問ですか」と言ってが笑う。

「何が可笑しいのよー」とムキになって悠里が言う。

「先生だから良かったんですね、皆。きっと」

の言葉に悠里は問い返そうとしたが、寝息が聞こえ始めてやめた。

あの6人の相手をしていたのだ。

もの凄く疲れたんだろうな...

「おつかれさま」

悠里はの頭を撫で、やがて自身も眠りの淵に落ちていった。









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桜風
08.10.24


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