Dear my friends 65





「ん...?」

目を開けると周りが暗かった。

「起きたか?」

「...瞬!?」

声を掛けられて驚いた。

「ここ、何処だ?」

「病院だ。車と接触事故起こしたのは覚えてるか?」

瞬の言葉で思い出す。

は!?」

一の言葉に瞬は苦笑する。

「そこにいる」

瞬が指差したその先には一の寝ているベッドにうつ伏せているの頭が見える。

「帰らなかったのか?」

「そうだな。さっきまで風門寺が一緒にいて一緒に帰ろうって言ったらしいけど、草薙が目を覚ますまでここに居るって聞かなくてな。仕方なく俺と交代して置いて帰ったというわけだ。お前の保護者とは連絡がついたが...」

「旅行中だろう?おじさんたち」

「ああ、らしいな。帰ってくるときにはお前も退院だ」

「そっか...」

意外と大怪我にならなくて済んだようだ。

、起こして帰ってくれよ。明日も学校だしな」

「大丈夫か?」

「たぶんな」

瞬の言葉に苦笑しながら一はそう返しながら頷いた。

、草薙が起きたぞ」

肩を揺すって起こすとが驚いたように顔を上げた。

「ハジメちゃん!?」

「また、ハジメちゃんって言ったな」

イタズラっぽく笑いながら一が手を伸ばしての額を小突く。

突かれたところを右手でさすりながらは一をじっと見る。

「大丈夫だから、今日は帰れよ。瞬が送ってくれるってさ」

が振り返ると悟郎が瞬に変わっている。

「風門寺はさっき帰った。俺がきたから交代したんだ。草薙が帰るように言うから帰るんだ。も帰るぞ」

が振り返って一を見るとヒラヒラと手を振った。

「明日も来るね」

「もう“今日”だ」という瞬の指摘に驚いて時計を見ると確かに日付が変わっていた。

「ほら、帰るぞ」

瞬に促されては慌てて鞄を手にして「あとでね」と言い、ヒラヒラと手を振って一は応えた。



一が事故にあった翌日、学校に行くと坂下の退学が決まっていた。

「ま、自暴自棄じゃねェの?」

清春が冷たくそう言い、

「...自業..自得?」

が訂正する。

「あー、ソレ」

を指差して清春がは溜息を吐いた。

本当に...

遠い目をして何となくこのまま時が止まればとか思ってしまう。

彼らの受験結果を聞くのが怖い。

「今日も行くのか?」

翼が言う。

「うん、暇だしね」とが応えた。

「はいはいはーい!ゴロちゃんも一緒に行く!!」

手を上げて悟郎が主張した。

翼も行く予定だったらしく、結局3人で行くこととなった。


「坂下君、退学だって」

「...そっか。あいつにも悪い事したな」

が今日聞いた話を報告すると一が呟く。

「そうかな?ちゃんをあんなポペラ危険な目に遭わせたんだよ。ハジメが居なかったらちゃんが入院してただろうし、ハジメみたいに体が頑丈そうじゃないからもっと大変なことになってたかもしれないでしょ?それってやっぱり、キヨも言ってたけど、自暴自棄だよ」

「“自暴自棄”違う。“自業自得”!!」

がすかさず訂正を入れる。

「忙しそうだな、」と一が楽しそうにからかった。

「まあ、ね...」

何だか、少し疲れた。

「親と連絡は取れたのか?」

「んー、まあ。元気でよかったねって」

元気じゃないと思う...

は何となく心の中でそう突っ込みを入れる。

「あー、そういや。オレ、卒業式まで学校行けないかも。退院しても自宅療養しろって。どうせ授業らしい授業もないからいいだろうって言われたんだ」

「えー!ハジメ学校に来れないの?」

悟郎が言うと「そうなるなー」と一がのんびり応えた。

「じゃあ、毎日お見舞いに行くね」とが言ったが「いや、いいって」と一が断る。

それを聞いてはシュンとした。

「あ、いや。来てもいいけど。お前だって全く毎日暇ってワケじゃないんだろう?手が空いたときとかさ。そういうときでいいよ」

渋々は「はーい」と応えた。

まあ、確かに毎日客が来たら気が休まらないか...

そう思って取り敢えず納得してみることにした。









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桜風
08.11.28


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