Dear my friends 69





卒業式後のHRが終了し、クラスの生徒たちと話をしていた悠里はふと教室の中を見渡したらB6の6人とが居ないことに気がついた。

後でバカサイユに行けばまた会えるか。

そう思って他の生徒たちとの別れを惜しんでいた。


「...遅い!担任が遅いのは分かるが、も遅い!!」

「てかさ。ってオレらが教室出るときにはもう居なかったよな?」

一が皆に問う。

「うん、居なかった。だから、こんなに早くバカサイユに来たのに...」

瑞希が応え、トゲーもションボリとしている。

「っつうか。ヘチャは結局今日もオレ様のイタズラにかからなかったな」

チッと舌打ちをしながら清春が悔しそうに呟いた。

今日も念入りにイタズラを其処彼処に仕掛けていたのに、それをさらりとかわしていたはとても嬉しそうだった。

態々清春を振り返ってニッと笑ったほどだ。

そのことを思い出したのか、清春は益々苦い顔をする。

「結局、キヨの負けって事だよね」

トドメを刺すように悟郎が言う。

それを聞いて清春はもう一度舌打ちをした。


ノックする音が聞こえて「皆いる?」と悠里がバカサイユに入ってきた。

「遅い!と、言っても仕方ないか...は見なかったか?」

翼に聞かれて悠里も驚いたように眉を上げる。

さん、まだこっちに来てないの?じゃあ、お友達とお別れしてるのかしら?」

「友達って?大抵オレらとつるんでたから、そういうのって想像できないんだけど」

「そういえば、クラスAの委員長。あいつとは図書室で話をしている姿を目にしたことがあるな」

瞬が言う。

「図書室?」

「勉強の参考書を借りに行ったらにあの委員長が声をかけていた。教科書を持っていたから勉強を教えてもらっていたんじゃないか?」

瞬が図書室に居たことにも驚いたが、クラスAの委員長がクラスXのに勉強の教えを請うていたということに驚いた。が、

「そういえば、久世さんはクラスXだからっていう理由で他の生徒たちのように意味なく馬鹿にしてなかったわね」

と思い出す。悠里は彼女と何度か話をした。

彼女は同じ学校の仲間としてクラスXを見ていて、そのことに感動した。

そんな話をしているとドアをノックする音が聞こえた。

「おっせーぞ!」

そう言って乱暴に清春がドアを開けて文字通り飛び上がった。

「オバケ!!」

「おやおや。仙道君が僕を待っていてくれたんですか?光栄ですね」

ニコニコと笑顔で衣笠がそういう。

「き、衣笠先生!?どうかされましたか?」

悠里が慌てて衣笠に駆け寄る。

「ああ、これを。さんから預かっていましたので。B6の皆に、と」

そう言って昨日から預かった封筒を取り出した。

「What!?どういうことだ??」

「さあ?でも、読めば分かるんじゃないですかね?」

衣笠の差し出している封筒を受け取って翼が宛名を見る。

“Dear my friends”と書いてある。

英語で書かれているのか?

と、なれば翼が読んだら早い。

そう思って皆は翼に読むように促した。

中から便箋を取り出して開いて「Shit!」と翼が毒づく。

「どうしたんだよ..って。漢文...」

「ああ、本当にさんは手が込んでますね。でも、皆は、読めるでしょう?受験勉強、頑張りましたものね」

厭味か!?と皆は思ったが、翼の手から瑞希がそれを取り上げて一度目を通す。

段々眉間に皺が寄った。

「これ、僕たちへのお別れの手紙だ」

「は!?」とそれぞれが信じられないといった声を上げる。

「どういうことだよ!?」

一が瑞希に詰め寄る。

「ここには『親愛なる皆へ。この1年とても楽しかったです。ありがとう、そしてさようなら』って書いてあるだけだ。詳しいことは何一つ書いていない」

「オバケ!お前知ってんだろう!!」

清春が詰め寄る。

「ええ、知っています。さんはアメリカに行くんですよ。これは、去年の今頃にはもう決まっていました。いや、まだ今の時点では保留だったようですが、さんがこの1年の間にそう決めたと聞いています」

「センセは知ってたの!?」

悟郎が悠里に問うと「ええ。でも、皆にはナイショだって。けど、今日発つとは思わなかったわ」と俯いて応える。

「別に先生が悪いわけじゃない。こうなったら、とっ捕まえて文句を言ってやる。衣笠先生、のフライトの時間は?」

昨日の口から聞いたその時刻を話す。あの場で態々嘘をついているとは思えない。

「永田!ヘリを用意しろ。大至急だ。今行けば間に合う」

「はい、畏まりました。至急用意いたします」

有能な秘書永田の言葉通り、すぐに手配したヘリが学校にやってきた。









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桜風
08.12.26


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