| 真壁財閥に関係のあるこの高級旅館内にはシアターやゲームセンターカラオケボックスがある。 もちろん、エステやマッサージも有り。 そんな感じで既に敗退しているメンバーは好きに過ごしている。 「いつ終わるのかなー...」 レベルが高い試合はラリーが長い。 いい加減正直なところ飽きてきた。 「そういえば、先生は混浴経験がおありだとか?」 「へ?」 何となく自分たちはこのトーナメントの行方を見守るのが義務かな、と思って3人並んで試合を眺めていたところにが悠里に聞いてみた。 「何で知ってるの?」 「瑞希に聞いたんです。一も頷いたし」 「え、先生...どういう...」 何か聞くのが怖いなぁという感じで真奈美も興味を示す。 「んー、まあ。そうね。あるわ」 「水着着用で?」 「いいえ、ジャージ」 は目をぱちくりとした。真奈美も同じく。 「真壁財閥の開発したものなんだけど...」 「翼たちは、それを知ってますよね?」 「と、思うけど...」 哀れ、後輩たち。 慧はともかく。那智とアラタはそれなりの期待を持って全力で戦っていそうだ。それなのに、ジャージ着用の... いや、2人きりになれることが重要なのかもしれない。 少なくとも、翼とか清春はそうなんだろう。 「やっぱ、永田さんは読めないわ...」 が呟く。 「さん?」 何か聞こえたような気がして悠里がの名を呼ぶ。 「いいえ、何にも」 「慧君、残念だったね」 は心から感心していた。那智に。 先ほどは慧と那智の試合だった。手を抜くかな、と思っていたが抜かなかった。 「ええ。でも、まあ。今日は負けましたが、次は僕が勝ちます」 慧もどこか嬉しそうだった。 「さんは、誰が勝つと思いますか?」 「一」 きっぱりと返されて慧は目を丸くする。ちなみに、まだ決着がつきそうにないからと悠里たちはエステに行ってしまった。 「草薙先生、ですか?」 「うん。一」 「それは、その...恋人としての」 「恋人として、というか。一の性格かな?」 「草薙先生の、性格...」 「けーい!ああ、サン。あれ?センセイたちは?」 「女を磨くべくエステへ」 が笑いながら応える。 「じゃあ、サンこそ行かなきゃ」 笑いながら言う那智に慧があおくなる。何か失礼なことを言ったぞ!! 「いやいや。一応、事の発端がゴロちゃんでしょ?その発端がこれまたエステに行ってるから、もう代理人として見守らなきゃいけないかなーって。同級生として、仲間としての義務がありますので」 笑いながらが返す。 「ふーん。あ、そうだ。さっきなんで分かったの?」 『さっき』というのは最初にピンポンを飛ばしてきたあのことだろう。 は苦笑して、「殺気が、ね?漏れておられましたぞ?」とからかうように言う。 真相としては、こうだ。 『那智の声が聞こえた→ピンポンをしている→これは何かあるだろう』 そんな感じで構えていたので、とっさに対応が出来たのだ。そしてそんな構えがなかった一がピンポンをぶつけられた。のおでこがある辺りが一の顎の高さに近いので顎にぶつかったのだ。 「ふーん。何でそれだけで避けれたんだろう」 不満そうに那智が言う。 「まあ、昔要人警護のバイトしてたから」 笑いながら冗談を言うと 「本当ですか、さん!さすがです!!」 と慧の心からの尊敬の眼差しを受けて少し、いや、だいぶ居心地の悪い思いをした。 「ごめん、冗談」 何とか自分の経歴の訂正をすると見るからにがっかりした慧がこちらに気を遣わせまいと気遣っているのが分かる表情で「いえ、こちらこそ。冗談が分かりませんでした」と謝り返す。 そのやり取りは那智が睨みつけている中行われ、とても心臓に悪かった。 |
桜風
10.8.27
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