Dear my friends + 6





夜中になり、屋根の上に上る。

この家に帰ってきたら必ずしていることだ。

と、言っても毎月2日だけの帰宅だし、こちらに来てからまだ4ヶ月。

だからこの屋根に上るのは4回目だ。


今日の夕飯はにぎやかだった。

やはり自分も手伝うと言い出した悠里を何とかして阻止しようとB6のみんなが奮闘し、星太も事情を聞いたのか、一生懸命説得していた。

その間、永田と自分が手際よく夕飯を作り終えた。

片付けは悠里にも手伝ってもらった。それで今日については納得してもらえて一安心だ。

その後、なぜか翼が『真壁財閥オリジナル人生ゲーム』なんてものを持参していたのでみんなでワイワイ騒ぎながら遊んだ。

自分は幸運にも、ぶっちぎりのトップだった。

最下位は..色々だ。

トップになれなかった翼が大人気なく何回も挑戦したがったので、みんなそれに付き合った。

よくよく考えたら同級生の中で一番年上なのは翼なのに...

思い出すと可笑しくなってくすくす笑う。

「ああ、これは凄いですね」

不意に声がして屋根に背をつけて空を見上げていたは慌てて体を起こす。

「永田さん!?」

「こんばんは」と挨拶されて「こんばんは」と返す。

「あー...ベッド硬くて眠れませんか?」

「いいえ、そう言うわけでは...」

「じゃあ、同室の翼と瞬がうるさいとか?」

結局男性陣は、翼・瞬・永田の班と悟郎・清春・瑞希の班になったというのは夕飯の席で聞いた。

「いいえ、そうではありません。ただ、周囲の明かりがないので星空が綺麗なのでは、と思いまして、失礼して屋根に上った次第でございます」

「うん、綺麗ですよ。さすが、天体バカが選んだ家だなって思いました。屋根も上りやすいですしね」

そう言って再びごろりと寝転ぶ。

「お体のほうは如何ですか?」

永田が聞いた。

「んー、薬が多いのがちょっと..正直面倒くさいですね。慣れていないので。でも、体はやっぱり元気になってるかなーって。主治医の祖父母も個人的に気に掛けてくれていますし」

の言葉に永田の表情が緩む。

「あそこは、お祖母様の病院ですよね」

は驚いたように永田に視線を向けた。

「調べたんですか〜?」

いたずらっぽく言う。

暫く沈黙して「正直に言いますと、調べました。私の意志で」といわれて逆に驚く。

以前は翼の父親の命令で調べていたと聞いたが、今回は永田の意志だと言うではないか。

「僭越ながら、さんのことが心配でしたので調べさせていただきました。もし、レベルの低い病院でしたらもっとレベルの高い治療が受けられる病院を紹介させていただこうと思いましたゆえ」

は目を丸くした。

さんは、B6の皆様のことでしたら..失礼ながら『意外と』一生懸命になられておりました。その分、自分には無頓着なところがあったと記憶しております。ですから、せっかく体を治すために渡米したというのに治療が進まないというのも案外頓着されないのでは、とお節介にも思いましたので。申し訳ありません」

永田の言葉に「んー...」とは呟く。

「でも、そうだな。まずは医者との信頼関係を重視したいタイプですね。タイプと言うか..大人に対する不信感からですかね」

苦笑しながらが言う。

だから、祖母が主治医であるのであの病院に決めたとか。

身内を嫌っていたのだが、それでも自分は心配される存在だということは昨年1年で身をもって彼らに教えてもらえたといって恥ずかしそうに笑った。

その笑顔を見て永田も微笑む。

あの1年はも含めて皆にとって本当に重要な1年だったのだと改めて思う。

「星空には詳しいのですか?」

永田が問う。

「んー...これだけ沢山あると逆に分かりにくいです」

そう言いながら星を探して

「たぶん、アレが夏の大三角形ですかね」

そう言いながら星を指差す。

の指差した方角を見上げるときらりと星が流れた。

「あ」という声が重なる。

と永田は顔を見合わせて笑った。









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桜風
09.3.7


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