Dear my friends F 37





「...なあ、この城何?」

「成宮君のお宅でしょう?」

なんでもないことのようにが言うものだから、星太は何か訴えて世間で言うところの常識的な規模を思い出してもらおうと言葉を捜すが、何か疲れたからもういいやと諦める。

これは、感覚を麻痺させた方が賢明かもしれない。

姉はこんな感じの環境の中を1年過ごしたのか...

「姉ちゃん、すげー」

「でしょ?」

どこがポイントで弟の尊敬の念を受けたのか見当がついているは笑った。


「お?迷わずに来れたか??」

一がたちの姿を見つけてかけてくる。

「まあ、ね。迷いづらいよね」

苦笑しながらが言うと「だよなー」と一も苦笑した。

既に全員が集まっていた。

花火で遊んでいるA4たちを見つけて星太は駆け出した。

「花火は誰が?」

「あー、翼と成宮が競って大量に...」

「...花火代出したほうがいいかな、って思ってたんだけど」

「いらないだろうなー。あ、永田さんも来てるぜ。あと、クマちゃんも」

「...了解。あ、そうだ。昼間の話の続き」

が言うと一は首をかしげる。何か話の途中だったっけ?

「オーストラリア」といわれて内容がわかり、うなずく。

「わたしも連れてってね?」

「は!!??」

「おばちゃんからの連絡はわたしに来るし。一は忘れちゃうから、って」

の言葉に益々混乱する。

「いや、でも...オレが忘れやすいからそんな話になったのか?」

「わたしが、おばちゃんに会いたいから。詳しく聞きたかったら電話..」

電話したら?というつもりだったが目の前の一は既にダイヤルしている。

そのままから距離をとり始めた。


ああ、聞かないほうがいいのかと察したは城のような天十郎の家の庭に向かった。庭ではバーベキューも催されている。

天十郎の幼馴染の千聖は料理が得意で『マイ飯ごう』も持っているとか。

その腕を遺憾なく発揮してバーベキューを仕切っている。

「何か手伝おうか?」

「お?ぉお!!???眼鏡かけてどうしたんだよ!?」

天十郎が驚いたように顔を近づける。

「うっかり居眠りしちゃうと目に悪いから家に帰ってコンタクト外したの。成宮君は、裸眼でしょ?」

「天十郎!」

「...は?」

「だーかーら、天十郎。さんって星太の姉ちゃんだろう?星太は俺様のダチだ。だから、姉ちゃんのさんも名前で呼んでもいいぜ。それに、アラタと八雲は名前で呼んでんだろう?あのP2や真壁のヤローも」

「ま、まあ...」

曖昧に頷くと

「んじゃ!俺様のことも名前で呼べよな!いいな!!」

と満足そうに言ってズンズンと去っていった。

「まあ、あいつの好きにさせてやってくれ」

不意に声をかけられて振り返れば千聖が立っていた。

「あ、うん。本人がそうしてほしいというなら、まあ...不破君は?」

「...俺も名前で構わんが」

「わかった」

「What!?、お前は俺がどんなにFamily nameで呼ぶなといっても呼んでいたではないか!!」

傍にいたらしい翼が6年前の抗議してきた。

何を今さら、と思ったがは受けて立つことにした。

「翼がわたしのことを『お前』とかって言ってばかりで名前で呼ばなかったからでしょう?そんな礼儀知らずに合わせる必要はないと思ったの」

「Shit!!何が礼儀知らずだ!だったら年上に景気を払うような行動をとらない者の方が礼儀知らずだろうが!!」

「そーんなコト言うけど?年上らしく振舞ったことが一度でもあったかしら?というか、『景気を払う』ってどういう意味デスカー!!」

「な!?ちょ..ちょっと言い間違えただけだ!!単純なMistakeだ!!こんな小さなことに目イルカを立てるとは...庶民とはまったく!!」

「事業主ってのは、そういう大多数の庶民を相手に商売するんじゃないの?ってか、『目イルカ』って何ですかーーー!!??また単純な、本当に単純なMistakeかしら??」

ああ言えばこう言う。

懐かしいなー、とB6は目を細めて翼との口論を見守った。

「姉ちゃん、ガキみてぇ」

「聖帝にいたときはあんな感じだったぞ。大抵、草薙が真壁を宥めすかして終わるんだが...草薙はどうした?」

「さっき門のとこまで迎えに来てくれてたけど...姉ちゃん、一兄ちゃんは?」

「実家に電話中のはず」

そう返してまた翼と子供のような口げんかを始める。

「...だって?」と星太が瞬を見上げると瞬は深くため息をついた。

何で今のタイミングで喧嘩をやめないのか...

はいつも斜に構えていて達観したような物言いをするのに、時々こうやってどこの小学生同士の喧嘩だ、と言いたくなるような喧嘩を翼相手に延々と続ける。

在学中、これに関しては悠里も不思議に思っていたようだったが、一は苦笑してそんな様子を見守っていた。

たぶん、それは彼女の育った環境を一番よく知っていたからだろう。

確かに、今となればこの口喧嘩をしているは結構生き生きとして楽しそうだ。

「まあ、気が済んだらきっとやめると思うよ。姉ちゃんって結構気分屋だし」

「そうだな」

まあ、これも懐かしい光景だし、たまにならいいだろう。

どうせが勝って終わるから、その後、たぶんイライラするであろう翼は一に任せればいいし。

B6全員そう思ったらしく、誰もあの2人の子供じみた喧嘩は止めようとはしなかった。









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桜風
09.9.25


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