Dear my friends F 42





さん、申し訳ありません。ありがとうございました」

迷子センターで桐丘を呼び出してもらい、無事に父子の再会を果たすことができた。

「小さい子は視線が違いますからね。ちゃんと見てないと、すぐに迷子になっちゃいますよ」

苦笑しては言った。

子育てもしたことないくせに、と思われても仕方ないが、それでも経験談だ。

「おねえちゃん、ありがとう」

大が笑顔でそういう。父と兄と再会できて安心したようだ。

さっきは全然笑わなかったのに。

「ほらね?お姉ちゃんの言ったとおりでしょ?お姉ちゃん、こういうの慣れっこだって」

「うん!」

大は勢いよくうなずいた。

「お姉ちゃん、大を連れてきてくれてありがとうございました」

大の兄は礼儀正しい。

よくしつけができているな、とは感心した。

「しかし...」と桐丘は永田を見た。

職員室でいつも見る顔で、彼が翼の秘書というのは周知の事実だ。

「桐丘先生。このことは、内緒にしていただけますか?」

そういったのは、永田だった。

「理由を伺っても?」

永田はちらりとを見た。は苦笑して頷く。そこまで説明する必要があるのかどうかは微妙だが、永田の判断に任せたほうが良いと思った。

永田が話したのは、現在のと永田の設定だ。そして、何故一緒にいたのかという話としては、別れたとはいえ、調子の悪そうなを放っておくことはできなかったと言い、その後はが大を保護してここまでつれてきたという経緯を話した。

誰かに報告するには少し憚れる設定。

桐丘は少し立ち入ったことを聞いた、と居心地悪そうにしていた。

「と、言うわけで私とさんが大さんを保護した次第でございます」

「そうでしたか。これは、どうも...」

頭を下げ、再びに礼を言って桐丘は息子と共に迷子センターを後にした。

と永田も迷子センターを後にすると「失礼します」といって永田がから距離をとった。

ああ、携帯か、と納得する。

さん、大変でございます」

「どうしましたか?」

切迫したように永田が言うものだからも緊張して聞き返す。

「迷子放送されるそうです」

「...は?」

丁度園内放送の『ピン・ポン・パン・ポン』というお知らせ前の音が鳴る。

そしてその放送は迷子のお知らせで、永田が「大変」といったとおり、の名前が流れた。

「い、行きたくない...!」

「何度も携帯電話のほうに連絡を入れてみたものの、返事がなく。皆様、心配なさっていたようで、まだ園内にいると知って、その...」

迷子放送された理由はわかったが、納得できない。

携帯を取り出すとそれはもういたずら電話かと問いたくなるくらいの着信履歴の状況。

今年は取材等に出かけることが多いため、携帯のマナーモードは本当にサイレント状態にしている。バイブレーションもオフにしているのだ。

「甘んじて受けられたほうが...」

「けど、何で永田さんの放送はないんですか!?」

が抗議すると「...さあ?」と何食わぬ顔で返された。

まあ、心配かけたことへの代償らしいから、自分の名前だけなのだろうが...

「...行って来ます!」

行きたくなーい、とわがままを言っていたら繰り返して放送された。

これはずっと続く。

は諦めて放送されている場所へと向かった。



「おっせェぞ〜!」

きっと放送を掛けると言い出したのはこいつだ、と直感的にそう思う。

「せーかいだァぜ。キシシシシ」

考えていることが表情に出ていたに向かって清春が面白そうに笑った。

「んー。ゴロちゃんは、一応止めたんだよ?」

「ウソつけ!オメェだってノリノリだったじゃねェか!!」

「ご心配をおかけしました!」

少しやけっぱちにそう言っては深々と頭を下げた。

「気分は?大丈夫??」

瑞希が心配そうに声を掛けてきた。

「おかげさまで」

「んじゃ、次行こうぜー」

とりあえず『絶叫系』は制覇したらしく、あとはも一緒に楽しめるものだということで呼んだのだった。

「次ってどこに行くの?」

「お化け屋敷ィ!」

機嫌よく清春が言う。

「好きだねぇ...」

「トーゼン!逆に脅かし返すのが醍醐味ってナァ〜」

「ああ、楽しそう!」

が乗った。

あーあ。誰も止められないなー...

大抵止める側に回るが乗ってしまったので、清春の暴走は止められない。

「ハジメ、頼んだよ」

ポン、と一の肩に悟郎が手を置く。

「オレ!?」

翼、瞬、瑞希は同時に頷いた。

一の口からはため息が漏れ、「おーい、ちょっと待てって2人とも!」とと清春の後を追いかける。

「バンガレ、B6+αのおかん!」

完全面白がっている悟郎の言葉は一までは届かなかった。










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桜風
09.10.2


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