| 11月のある日。 は聖帝学園に来ていた。 場所は、アホサイユ。 一度入ってみたかったし、指定されたのはここだった。 それはともかく。 「アラタァーーーー!!」 の絶叫の直後にパシーンと物凄く良い音が鳴った。 「ったーーーー!!」 アラタは頭を抱えて廊下に蹲る。 「ちぃちゃん、ありがとう」 借りたハリセンを千聖に返しては物凄くすっきりした表情で笑っていた。 「ね、ねえ...理由聞いても良い?何でオレが殴られたの??」 「3ヶ月前のセクハラに対する報復」 の言葉にアラタは首を傾げたが、 「お前!ほんっきで見たのか!?」 と清春の驚いた言葉で何のことか思い出せた。 「もしかして、天ちゃんの家での?」 「それ。やっとあの発言がかーなーりー品のない下ネタだということが分かったからね!」 ふん、と少しだけ誇らしげに胸を張っては言い放った。 「オメェ、ホンット怖いもの知らずだなァ」 「...まさか、と思うけど。ちゃんあれが何を意味しているか分かったって言うなら..見た、とか?」 「見たよ?もうね、本を調べてもネットで検索してもわかんなかったんだけど、ハルがヒントくれたから。『レンタルショップの18禁』って」 それ、ヒントじゃなくて、答えじゃん... 聞いていた皆は心から思った。 「け..けどそれってパッケージ見ただけじゃわかんないだろう?」 「店員さんに聞いたよ?」 なんでもないことのようにが言う。 全員を直視できなくなった。なんと言うか、本当に最強だと思った。 「店員さん、教えてくれたんだな...」 「うん。ものすごーく困った顔してたけど」 そりゃ困るだろう。 知的好奇心に正直なの反応に彼らは呆れるやら、感心するやらで言葉が出なかった。 「で、何でアホサイユでの補習なの?」 が頼んだのは補習を見てみたい、ということだった。 取材というよりも純粋な好奇心だ。 「はい、ちゃん。良かったよ、前もって連絡くれてたから」 そういって悟郎が差し出したのは... 「何で持ってるの?普通もう持ってないでしょ?!」 「ところが、持ってるんだナァ〜」 清春がそう言って皆はそれぞれ懐かしいものを取り出した。 「何で、みんなちゃんと制服取ってるのよ!!」 悟郎がに差し出したのも懐かしい制服だった。今の聖帝の制服はデザインチェンジしてあるからこの学校でまったく見なくなったものだ。 「第一、みんなある程度体格が変わったんだから高校のときの制服なんてちっさいんじゃないの?」 が言うと翼が高笑いを始める。 「心配には及ばん。皆の制服は、当時のデザインを再現したオリジナルのものだ。今の体型にあわせてある。もちろん、B6全員は言うまでもなく、のものもだ。感謝しろ」 「...うわぁ、余計なお世話」 遠い目をしては呟く。 「ちなみに、新任。お前にも作っておいた」 さも、素晴らしいことをしたといった風に翼が言う。 「え?!」 「俺たちの代のデザインだが、用意している。着ろ」 「あのー、制服に着替える意味が分かりません!!」 が挙手して言う。 「何を言うか!この俺たちの補習を受けたいというなら、『生徒』であるべきだろう!」 え、その理屈わかんない... そもそも、B6が講師をしての補習だったらキミたちは着なくても良いのではなかろうか...? そう思ったが敢えて口にしなかった。 しかし、これでやっと合点がいった。 何故アホサイユだったのかがちょっと疑問だったのだ。 しかし、こうやって懐かしの制服を着て..いわばコスプレをするならなるべく他者の目を気にしなくていい環境が良い。 アホサイユなら関係者以外の立ち入りが難しいが部屋が複数あるので着替えることも可能だ。 ああ、だからA4が揃っているのだな... 「おーい、お邪魔するよ〜」 ...呼んでもないはずなのにP2までやってくる。 「ねえ、やめよう」 那智が面倒くさくなりそうだ。 「ああ?!」と清春。 「えー、いいじゃん。久しぶりにセイシュンしようよ!」と悟郎。 「おい、。それを着なければ補習はしてやらんぞ!そう、これはGive and takeだ!」 いや、もう...補習見なくて良いから!というか、後輩たちの興味津々のこの表情が居た堪れない...!! ふと、真奈美を見るとどうやら満更でもないようだ。 「私、家庭の都合で転校したので高等部には上がれませんでしたから」 ああ、うん。聞いたね、そういえば... と、いうことは憧れの制服の袖を通せると思うと真奈美的にはオッケーなのだろう。 はガクリと肩を落とした。 何でこう..5年経っても自分の意見は却下的な雰囲気となるのだろうか... 昔と変わらない雰囲気には項垂れ、なまじ諦めることが解決法と悟っているため、今回もその選択肢を選ぶことにした。 |
桜風
09.10.23
ブラウザを閉じてお戻りください