Dear my friends F 52





が廊下を歩いていると真奈美が駆けてきた。

さん!」

「あら、北森先生。こんにちは」

足を止めて振り返る。

さん、知ってますか!?」

何を、だろう...とは首を傾げる。

「聖帝舞踏祭、ってご存知ですよね?!」

「まあ、うん...」

知っている。うん、当然だ。

「男性のエスコートが必要って本当ですか??」

「当時と変わっていないなら、まあ..そうだったねぇ」

がきょとんとしたまま答える。

「本当だったんだ...」と呆然としながら真奈美が言う。

どうやら、生徒の誰かから聞いたらしい。しかし、聖帝卒業生とはいえ、真奈美は中等部までしか在籍していなかったらしいが、聖帝祭は緘口令を布かれているため、喩え聖帝学園に通っていても高等部以外の生徒はこのイベントのことを知らない。

「誰かに誘われたの?」

が聞く。

「んー、そ..そうですね」

ああ、誘われたんだ。複数に。

「そ、そうだ!さんは..誰だったんですか?」

「くじで瞬」

「くじ!?」と、さすがにそれにはびっくりしたらしく、の言葉を繰り返す。

「ほら、B6でしょ?色々と虎視眈々と狙っている人たちがいたらしくて、それはイヤだったみたい。あと、わたしが聖帝舞踏祭に出る気が全くなかったのでー...」

強制的に参加させられた、と言外には言う。

ああ、それでか...と真奈美は納得した。

「ところで。さんも聖帝祭に出席されるんですよね?!」

「ううん、そういうつもりは...」

「よーし!今回もみんなでクジか?!」

「ひっ!」と真奈美は小さく声を上げて突然現れた翼に驚いた。

「えー、行かないよー」

が面倒くさそうに言う。

「ちょっと、翼!ここはゴロちゃんとミズキとハジメの一騎打ちでしょ!」

「一騎打ちになってない...」

が突っ込むが全く聞かないのが悟郎だ。

「というか、特にシュンはダメだよ!前にもうちゃんと踊ってるでしょ?!」

「いや、俺は別に...特にをエスコートしたいなんて思って..」

「どういうこと!?がかわいくないってコト?!」

「トゲー!トッゲトゲーーーー!!」

瑞希とトゲーが瞬に迫る。

「い、いや..そういうことではなく...!」

「どーでもいいんですけどー。相変わらずわたしの意見は聞いてもらえないのでしょうか?」

面倒くさそうにが言う。

皆は答えない。

あー、はいはい。

は諦めた。

「んじゃ、クジな?永田さんは..居ないのか?」

「ああ、はいはい。わたしは消えます。あとで電話くださいねぇ」

そう言ってはその場を去っていった。


の姿が見えなくなり、翼は指をパチンと鳴らす。

「永田!」

「はい、翼様。今回は、風門寺さんの提案どおり3人の一騎打ちがよろしいかと...」

「...まあ、それでいい。さあ、クジを作れ」

翼に言われて永田は「かしこまりました」と礼を取り、あっという間にクジを作った。

「どうぞ、皆様。一斉にクジを引いてください」

「せーの!」と悟郎が言い、「ジャーン!オレッ様のあた〜り〜〜〜!!」と清春が声を上げた。

「え?」と皆がぽかんとした。

「おーい、清春。それ、オレのクジ...」

一が訴える。

「と、いうワケでぇ。はオレッ様がエスコートってことだなァ?キシシシ」

清春はそう宣言をしてその場を去っていった。

「ま、まさか...!実はキヨも?!」

悟郎がはっとしてそう声を上げた。

「...安心しろ。あの猿はにイタズラできる機会がほしかったんだろう。今回も全敗のようだからな」

は未だに無配記録を更新し続けている。

いい加減清春はここらで一勝を上げたいらしい。

こうやって長い時間皆と一緒に過ごすことなんて、たぶんこの先考えられないから。

「なあ、あのクジって無効にならないのか??」

一が力なく言うが誰も答えない。

「あ、あの...がんばってください!」

真奈美が力強く一を元気付ける。

それが余計に悲しくなった...









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桜風
09.10.30


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