Dear my friends F 53





高校時代のドレスでも良いか、と思っていたが、どこかの誰からかドレスをもらった。

どうやってサイズを知ったのだろうか...

知りたくないから考えることをやめた。


家で待っていろといわれたので、待っているとインターホンが鳴る。

出るとちゃんとドレスコードを守った清春が居た。

「おお、体格が良くなったから似合ってるねぇ」

「おう!かっけーだろう??」

「そうねぇ」

が適当に答えて、清春が苦笑した。


マンションを降りると男の子が好きそうな型の車が止めてある。それは清春所有の車で、この車で会場まで行くという。

今回の会場は講堂が改修工事中なので、天十郎が成宮家所有の豪華客船を会場として提供したのだ。

「助手席、わたしが乗ってもオッケーでしたか?」

「まァ、仕方ねぇ。オレ様が言いだしっぺだしな...っつーか、それ..カベの秘書からかァ?」

は苦笑しながら頷いた。

「そろそろ設定がまずくなってねェか?」

からかうように清春が言い、「だよねぇ」とも笑う。

しかし、自分のマークがだいぶ弱くなったからそうやって笑えるのだ。

「そういや、あのGTRのマーク。ずいぶん緩くなったなァ」

清春もそう感じていたようだ。

「大人..というか教師を信用させるのは結構得意なのよねぇ。昔取った杵柄って感じ?」

肩を竦めてが言った。

なるほどな、と清春も納得する。

「んで、どんな感じなンだァ?」

「順調かな?」

が自信のある目をして笑った。

「ンま、なら大丈夫だって言ってたしなァ?」

「誰が?」

「カベの秘書だ」

「永田さん、かぁ...嬉しいねぇ」

本当に嬉しそうにが呟く。

「オメェは..答えを出したのか?」

は驚いたように清春を見た。

「あいつら、なぁんも言ってねェよ。けど、オメェは最近くらーくなってたりするからな。特にマダラとかナギと話した後とかよ。そんなの見りゃフツーは、何かあったンだろーって思うし、その何かってのも何となく分かったっていうかァ?」

「...ヤなやつ」

が顔を顰めた。

「キシシシシ!なァんだ?最初から、こういう手にしとけばオメェに一泡吹かせることができたってコトかァ?」

「あー、はいはい。そうですよ」

悔しそうにが返した。

清春は満足そうに笑っている。

「ハルは、分かってるんでしょ?」

「さぁなー...オメェがほしい答えをオレ様が持ってるとは限らないし、人に教えて理解させられることでもねェだろ?こういうモンって」

「...ムカつく」

が呟いた。


清春と共に会場に入ってきた人物に周囲がざわりと騒ぐ。

清春の雰囲気もそうだが、の雰囲気が随分違う。

「わぁ!ちゃんポペラ可愛い〜!!...ボク以外の男が選んだドレスってのが全く気に入らないけど」

後半の言葉はもの凄く小さく呟いたため、の耳には届いていない。

、踊ろう...」

瑞希が悟郎の前にずいと出てくる。

「ちょっとミズキ!何邪魔してんのさ!!」

「悟郎、居たの...?」

「居たよ!ちゃんに一番に声をかけたよ!!」

悟郎がムキになって返す。

「始まったぞォ。止めねェのかァ?」

清春が楽しんでそういう。

「どうやったら止まるのよ...」

は呆れたように呟いた。

清春は会場に入るまでエスコートをしたらそれで役目は終わる。

本当はダンスを踊るまでするものだが、ここでと踊ろうものならあの2人が面倒くさい。

「んじゃ、がァんばれよ!」

気が済んだように清春が離れていく。

「...順番!」

公平に、というのがの出した結論で悟郎と瑞希は渋々矛を収めた。

、保育園の先生にもなれるんじゃないのか?」

「...向いてないと思う」

が呟くと瞬は苦笑した。そうでもないぞ、と。

目の前ではどちらが先にと踊るかという議題でバトルを開始した悟郎と瑞希。

逃げらんないかなぁ...

諦めることは慣れてたけど、こういうなると特に悟郎と瑞希は長いので待つ時間が手持ち無沙汰になる。

「...瞬、踊る?」

「いや、遠慮しておく。あとで面倒くさいことになりそうだからな」

本でも持ってきておけばよかった。

は仕方なく、デッキに向かった。










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桜風
09.10.30


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