Dear my friends F 59





二葉と三希に物凄く懐かれたは、帰る日には泣かれてしまい、ほとほと困った。

何より、「お兄ちゃん、今度帰ってくるときもお姉ちゃんとだよ」と兄に訴える始末で、妹にそう訴えられたお兄ちゃんは「おう!」とデレデレしながら安請け合いをする。

ちゃん一人で来ても良いわよ」

一の母が言うと

「あ!それが良い!!」

と妹たちは声を揃えてそう言ったため、一がいじけたのは言うまでもない。

「ふ、二葉ちゃん三希ちゃん。少しくらいはお兄ちゃんを歓迎してあげようよ」

弟に歓迎されなかった例がないが2人に訴え、

「じゃあ、物凄くたまにならお兄ちゃんだけでも遊びに来て良いよ」

という答えはもらった。

でも、お兄ちゃんあまり嬉しくない...




1月になり、センター試験のために3年生は最後の追い込みに入った。

聖帝への『取材』に行くがそれでも時間的には短い。一応、受験生に気を遣ってのことだ。

もちろん他校への取材もなるべく減らしている。

その分、別の時間に割くことができる。そろそろまとめておきたいことがあるし、丁度良い。こっちの方もそろそろまとめておかないと...

しかし、集めたなぁ、と自分で自分に感心してしまう。

まとめることを考えたらもう少し抑えても良かったのだろうが、情報は正確であるほうが良いと自分で考えた結果だし。

聖帝学園の理事会は1月にある。定例会だ。

定例会での議題はその年度の決算見込みと昨年度の決算報告。

そして、来年度予算と理事長の信任。

あとは、理事長が学校運営で挙げた成果等の報告だ。

がパソコンに向かっているとメールが届いた。

開いてみて送り主に驚いたが、中身を見て思わず舌打ちをした。

定例会にはもともと間に合わせるつもりはなかった。彼らの油断を誘うためにはその方が良いだろうと永田も賛成してくれたが...

こんなことなら定例会に間に合わせればよかった、とは眉を寄せる。

一介の高校生に色々と背負わせて、何をしようとするのか。

そして、やはり彼は止められなかったのだなと嘆息吐いた。

どんなに大人ぶって、色々と立ち回りが上手でも結局は学校という箱庭の中では他の生徒と同じく『子供』で、相手は一応ピラミッドの頂点だ。

私立高校なら尚更その権力は強い。


理事会には定例会がある。しかし、定例会以外に臨時会も開くことができる。

理事は理事長含めて7人。

過半数の要望があれば開かないわけにはいかないのが、この臨時理事会だ。

勿論、その議題の種類は問わない。

理事長の退任を議題に挙げても良い。

メールが再び入った。

誰だろう...

携帯を開いては笑った。

急いで返事をする。

今までは紙でのやり取りにしている。

電子は介入しやすいが、現代で紙媒体の通信については検閲はできないことになっている。勿論、原則論で、現代科学を集結したり、色々といえない組織とかがあって検閲をしていることもあるかもしれないが、一般人同士でそれはありえないと思っている。

だから、紙媒体での連絡としていた。

渋い、和風の文様が入った便箋を使って。

一応、直接に送るのは危険だと思ったから間には祖父母に立ってくれるように頼んだ。

日本に帰った孫娘から定期的に手紙が届く。

周囲から見れば、とても祖父母想いな孫だ。


『2月の最終週』。

先ほど送られてきたメールにはそう書いてあった。

それまでになんとしても纏め上げなければならない。

メールの返事を打ってはギシリと椅子の背に体重を掛けた。

「わたしたちに喧嘩を売ったことを後悔してあげましょうかね...」

低く、暗く呟いたはふう、と息を吐いて再びパソコンに向かった。









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桜風
09.11.13


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