『これからはじめる恋物語』のネタバレしかないあらすじ
先代の審神者が引退して新たに赴任した審神者は16歳のきまじめな少女だった。
審神者は本丸の生活に慣れた頃、これから自分が指揮をしていくのに刀剣男士のことがわからないと困ると言い、近侍を全刀剣男士の当番制にした。
良く言えば集中力がある、悪く言えば周りが見えない審神者の放っておいたら拙そうなシーンに出くわす明石は、なんだかんだで彼女と行動を共にすることが少なくなかった。
ある日、審神者が余所行き着を着ていた。
声を掛けると、供もつけずに街に行くという。流石にそれを見送ることができない明石は供を買って出る。
武装して門のところに行くと蛍丸と愛染の姿があった。彼らも一緒に出掛けるという。供を辞そうとしたがそれが叶わず、彼女たちと共に万屋に向かった。
彼女は情報を買うために万屋に足を運んだのだが、何も手にせずに店主の元に行くのを不自然と思ったのか赤いマニキュアを手にして店主に声を掛け、マニキュアも購入した。
近侍当番二周目からは希望者のみとした。近侍となればその分出陣機会が減るため、明石も二周目の希望者となっていた。
順番が決まるまでの間はこの本丸の初期刀の加州が審神者の近侍を務めた。
畑当番をサボって本丸内を彷徨っていると、審神者の執務室の傍に足を運んでいた明石が目にしたのは加州にマニキュアを塗られている審神者の姿だった。
何か違う、と彼の胸には違和感が広がった。
ある日、政府から連絡があった。三日後に任務のため政府庁舎に来るようにという指示だ。
その連絡があった日は、明石が近侍当番で審神者が三日後の当番の刀剣男士に供を頼もうとしたが、明石に止められた。この任務の連絡が来たのは自分が近侍をしている時なのだから、自分が供をするのが筋なのではないかという。
すごく面倒くさそうな任務になりそうだったため、明石は嫌がると思っていたが、本人がそこまで言うなら、と審神者は彼に供を頼む。
政府が審神者に指示した任務は、政府が歴史修正主義者に狙われているから審神者は街を巡回して遡行軍を迎撃しろというものだった。審神者が目の前にいればまずはそちらを狙うだろうというのが政府の思いだった。
人数の関係で審神者は単独行動となった。
任務の準備のため、別室に移動したとき、審神者は明石にお願いをする。
明石国行を見せてほしいと頼んだのだ。つまり、刀本体を見たいと。
何か不具合でもあるのかと素直に従ったが、彼女はただ明石国行を鑑賞したかっただけだった。以前、明石国行はとても美しい刀だと聞いたことがあるから、と理由を口にした。
そして、明石も審神者に声を掛ける。彼の手にあったのは薄紅色のマニキュアだった。赤が似合わないわけではないが、でも「違う」と思い、万屋で購入して彼女に渡す機会をうかがっていたのだ。
渡しそびれていたそれを渡し、そして明石がそれを彼女の爪に塗ってやる。
それから任務のために街を歩いていると遡行軍に遭遇した。
審神者は明石の手を引き、一般の人が近づけない空間まで走って逃げた。
そして、そこで戦闘になる。刀を構えた明石が振り返ると、審神者がどうしてかそこにあった角材を構えている。戦う気満々だった。
通常、遡行軍と戦えるのは刀剣男士だけだが、この本丸は遡行軍から襲撃を受けたことがあり、その時に初代の審神者は遡行軍を倒していた。明石が顕現する前の話だ。
だから、人間でもごく稀にそういうことができるものもあるのだというのは知っているが、自分の主がそれをするとは思わず、敵六振り(うち一振りは審神者がぶっ飛ばした短刀)を相手に背後で戦う気満々の審神者を気にしながら戦い、何とか勝利を収めた。
しかし、討ちもらしていた短刀が最後、戦闘が終了した最も気が緩むところで審神者を狙って襲ってきた。しかし、明石はそれと刺し違える形で倒すことができた。
夢を見た。幼い少女が祖父に昔話をせがむ夢だ。
彼は、刀の、刀剣男士の話をした。祖父は審神者だったのだ。
少女は目を輝かせてその話を聞いていた。
そして、また場面が変わった。祖父の生命力は弱くなっていた。少女は少し成長していた。審神者になれるのだと祖父に話をする。
祖父は、再び刀剣男士に会いたかったと遠い目をして沁みるようにつぶやく。
明石が目を覚ますと自分にうつぶせている審神者の姿があった。頬に触れると温度があり、安堵する。
そして、この審神者の祖父は本丸の初代なのだと気づいた。あの夢は審神者が見ていた夢だと。
手入れが苦手と自他ともに認めている審神者の要請により本丸から明石を運ぶための刀剣男士がやってきた。蛍丸だ。
蛍丸は明石を姫抱っこして運ぶ。
ある日、日課の業務の途中、休憩している刀剣男士に声を掛けられて供に休憩することになった。
本丸に戻ってから、何日かしてからか、それ以降ずっと近侍は明石で、審神者はみんな近侍なんて面倒くさいものはしたくないのだろうと思っていたが、実は明石が近侍希望者に近侍の席を掛けて勝負を吹っかけて全勝したのだ。
それを聞いた審神者は驚き、明石は彼女を抱えて休憩している部屋から出ていく。
「愛」らしいと明石がふいに話す。
以前、政府庁舎で話をした次郎太刀にそういわれたのだと。
正直、その愛が主従愛なのか家族愛なのか女の子に対しての愛なのかわからないけど審神者を独り占めしたいくらいには愛おしいと思っていると告白された。審神者が絶句していると明石が続ける。
「せやから、これから始めてみませんか?」
「何を……」
「自分と恋を。主はん真面目やから、自分みたいな不真面目なのがちょうどええと思うんですわ」
こうして、二人は恋を始めた。
と、同人誌のweb再録は掲載しないと考えていたのですが、自宅なら掲載したっていいじゃんと思いまして、web再録というかたちを取ります
今後再販するかわかりませんから。
というわけで、こちらです → これからはじめる恋物語